アイドルのいない月曜日

入信しました。

希望とミュージック

「プリパラ」めっっっっちゃハマりました!好き!!!!!
と、いうことで今回はアニメ「プリパラ」がとにかく最高、という話をします!
一応経緯を書いておくと、11月の終わり某プリパラは最高ブログを拝読し、気になっていると友人に話したところじゃあ「プリパラ」1stシーズンから見ろと言われたので、速攻でdTV契約して*1、結果として筐体に通っている。
そう、プリパラはアニメ作品であると同時に、筐体型ゲームでもある。同年代だったら現代版「オシャレ魔女♥ラブandベリー」と言えば分かってもらえるだろうか、100円1プレイで簡単なリズムゲームをしながらカードとしてコーデアイテムをコレクションし、自分なりのコーデを組み立ててまたプレイする……という形式の。ラブベリと異なるのは、プリパラはバックボーンとなるアニメシリーズと連動しており、それはアイドルの物語である、ということである。

簡単に本作品のあらすじを説明すると、「普通の女の子・真中らぁらが、友達との交流を通して神アイドルを目指す」という、非常にシンプルな説明に集約できる。物語序盤ではプリパラを禁止する校長先生との対決と3人チーム結成までのあれこれが描かれ、その後1stシーズンでは新人しか挑戦できない、パラダイスコーデを賭けたアイドルグランプリ、2ndシーズンでは変則的な5人戦のアイドルドリームグランプリ、3rdシーズンではいよいよ神アイドルグランプリに挑戦する様子が描かれる。続編に当たる「アイドルタイムプリパラ」では、神アイドルになったらぁらは後輩のサポートに当たり、イチから新設のプリパラを盛り上げていく。一見ありふれた設定の本作品になぜこれほど心揺さぶられたのか、書き殴っておきたい。

トキメキのNeverland

プリパラとは……女の子の憧れの世界!年頃になると、女の子にこっそり届くプリパラの入場券、プリチケ!夢の世界への招待状!アイドルを目指す女の子やトップアイドルまで、歌やダンスやファッションをライブで競い合う!正に、アイドルたちのパラダイス!!!(第1話より引用)

「プリパラ」がアニメとして、そして筐体ゲームとして隆盛を誇る理由の一つとして、プリパラ空間の設定の巧みさが挙げられる。そしてこの、プリパラ空間の在り方こそがプリパラにおけるアイドル像を決定していると言えるだろう。

昨今のアニメ業界ではアイドルものはありふれるほどに溢れているが、「プリパラ」に顕著なのは、女児アニメの王道・「変身」する魔法少女ものの系譜に連なっている点である。魔法少女物語世界では多分にして、主人公の暮らす現代日本の都市部を模した世界と、魔法少女の故郷である異世界が交錯することによって物語が動き出す。平凡な日常と、希望や夢が可視化された空間。「怪人」は少女の希望や夢を奪い、「怪人によって滅ぼされた異世界の王国の姫」や「女神」が少女に希望や夢を取り戻し、創り出していくための力を授ける。「変身」は「普通の少女」が希望や夢を真っすぐに信じ、自己実現できるようになるためのギミックだ。「プリパラ」物語世界でも、日常生活の場と、プリパラアイドルが活躍する空間・プリパラは分かたれていて、少女たちはプリパラアイドルの活躍を見ることで日々の生活の活力を得ている。一方プリパラアイドルたちは、自分が憧れたプリパラアイドルのように自分らしくあるため、そして自分に希望を見出してくれる少女に力を授けるためにライブを行うのだ。だから、所謂芸能界とは関わりがないし、アイドル活動を頑張ることによって生活が安定するとか町が活性化されるとかいうようなこともない。魔法少女たちのように、日常生活の中で生まれる少女の希望や夢に直接作用する、ある種ファンタジックな存在なのである。けれども、当初厳然と分かたれていた2つの空間が、プリパラで得た希望で日常生活が輝いていくことによって、緩やかに融解していくところが面白いんじゃないかな~~~と思う。
また、「プリパラ」がそうであるように、大半のアイドルものは、トップアイドルになりたい!という夢・目標を持った少年少女がそれを叶えていくプロセスを物語化する形を取っており、視聴者は一ファンとして物語を見守ることになる(異性アイドルの物語を、アイドルと身近な同性キャラクターの介在なしに画面の外側から応援するケースに最も顕著)。そのとき物語の中心はあくまで主人公たちが夢を叶えられるのかどうか、という点にあり、ファン=視聴者の方は向いていない。カメラアピールや、支えてくれるファンの大切さに気付くエピソードなども挟まれるだろうが、それはあくまでアイドルの物語を小説のように鑑賞しているだけであって、ファンの物語とは交錯しない。二次元である以上当たり前のことだ。*2しかしながら、本作品ではファンの物語がアイドルの物語と交錯する描写が実に多く見受けられる。
例えば第4話、主人公・らぁらの最初のファン・栄子はテニス部なのだが、「こないだ、試合の前日にらぁらちゃんのライブ見たんだ!そしたらすっごく元気が出て、試合に勝てたの!」「だから、今日もらぁらちゃんの声であの歌が聴けたら、明日の試合勝てるような気がするの!」と言う。
或いは第8話、主人公・らぁらが親友・なおに隠れてプリパラデビューして活躍してしまい、そうとは知らないなおはプリパラアイドル・らぁらのファンである、と話すシーン。「アイドルランクはまだまだ低いんだけどね、声がとっても良くて、笑顔がすっごくキラキラなの!らぁらちゃんのライブ見ると、私どんなに落ち込んでいても、笑顔になれちゃう」めっっっっちゃ分かる!!!!!そうなの笑顔になれちゃうよね~~~私笑顔が素敵なアイドルが好き~~~~~!!!!!

この新興宗教の信者か???て言動、完全に我々がアイドルを見る眼差しと一致しているように思うんですよね。でも本当にやばいのはこのあと。
結局打ち明けてぎくしゃくするんですが、コンビを組んでいるみれぃ「アイドル違反」「アイドルは泣き顔を見せてはいけない」「なおちゃんを笑顔にするのも、アイドルの役目よ。あなたが今すべきこと、それはプリパラのステージに立つことじゃない?たった一人のともだちを笑顔にできなくて、大勢のファンを笑顔にできると思ってるの?」と諭されるんですよ。そしてライブ前に「あたしがいつも笑っていられたのは、あなたが友達でいてくれたからだよ」「そして、笑顔でいられるから、今こうしてプリパラでアイドルっていう夢を追いかけられるの。応援してくれる人に、笑顔を届けられるの。あなたの笑顔がいつもそばにあるから、あたしは笑顔でいられるの」となおにメッセージを送るのだ。何ていうか、段々推しが売れてきてハコも大きくなり一抹の寂しさを抱える古参ヲタと、引き留めるアイドルて感じなんですよね……。アイドルに「ファンの皆の笑顔が活力だよ☆」て言われたら嘘でも嬉しいじゃん、らぁらはマジだから。そりゃ好きになっちゃうよな。
プリパラのモットーは「み~んなトモダチ!み~んなアイドル」。それぞれの生活があった上で、お互いの活躍を励みに頑張れるって理想的な人間関係過ぎる。お互いがお互いにとってのアイドルでありファンである関係のことを多分友達と呼ぶんですよね。これは2ndシーズンで「セレパラ」という「み~んなライバル、セレブだけアイドル」をモットーとした、一流アイドルのパフォーマンスを大衆が一方的に鑑賞するだけの空間が爆誕したときに分かりやすくなるんですが、関係が対称で健全。

だからプリパラは、ファンの物語を作品内に取り込むことがめちゃくちゃ上手くて、実際の筐体でのプレイを通して視聴者も作品内外のコミュニケーションに参加できる点がやばいな~~~と思う。そもそもキッズアニメは商売上手で、季節ごとの限定コーデが作品内でお披露目されればゲーム内でもピックアップされるし、グランプリが開催されればプレミアムなコーデが配布されるし、キャラクターたちの用いるマイクなども購買欲を煽る演出で毎度アピールされるし、君もプリパラデビューしようよ!キャラクターたちのようにキラキラ輝こうよ!と虚実を溶解させる力が桁違いだ……。

長く二次元、しかも小説という基本一冊で完結したコンテンツのおたくをやっていたためか、「アイドルと共に生きている」感に弱い自覚がある。でもこのリアルタイム感はドルヲタは多少なりとも求めているように思えて、ファンサ欲しいとか認知貰いたいとかリア恋みたいなことに留まらず、「今・ここにいるわたし」と「今・ここにいるあなた」を感じるために現場に行くんだと私は思うんですよね。自担である増田さんはよく「沢山の人が予定を合わせて今・ここにいること自体が奇跡」といった趣旨のことを述べ、「東京ドームは夢の場所」と繰り返すのだがマジでそれ。

 

さてそれから、プリパラはヴァーチャルであると同時に極めて身体的な空間であるという点も、イマドキで好きな点である。
年頃になった女の子たちは、プリパラへの招待状「プリチケ」を手に「プリズムストーン」と呼ばれる施設へ出かけ、ゲートを通ってプリパラに入ることになる。この際なりたい自分・本来の自分に「変身」するのだが、スタイルが良くなったり好きなファッションを身に纏うというレベルから始まり、めちゃくちゃキャラを作ったり、内気な子がプリパラ内ではなぜか高飛車になってしまったり、極端な例では二重人格に近い分裂を見せる。この、プリパラの「外」第の姿と「中」の姿、どちらも自分なんだと肯定してくれるところが良さなのだが(第32話「みれぃ、ぷりやめるってよ」参照)(私立パプリカ学園校則第1条「生徒は自分に自信を持たなければならない」!!!)、「プリパラに行く」=「筐体をプレイする」である以上、分裂した自意識は例えるまでもなくアバターである。海外のプリパラに行くためにはリアルワールドで海外に行ってからプリパラに入る方法とプリパラ内を移動する方法があったりと、プリパラ内の世界はリアルワールドとパラレルに存在していて、プリパラ内の姿で直接リアルワールドに出向くことはできない。つまりプリパラ内の姿はヴァーチャルな身体である。また、プリパラ内でのライブはリアルワールドにも配信され、まだプリチケの届かない幼い子や男性はライブに行くことができないので、配信で楽しむ「茶の間」になる。TV文化が花開いた半世紀近く前から、ライブに行くなどリアルな体験より先に画面を通して人々がエンタメと接すること一般的になったが、茶の間で画面の向こうのアイドルを応援するというヴァーチャルな行為が日常になったことを超えて、ヴァーチャルな領域から「ライブに行く」という非常に身体的な行為が生まれる、'10年代だな~~~~~という感じである。

完全にヴァーチャルな存在、ボーカルドールのファルルとの交流が1stシーズンのクライマックスになるのだが、ここで「ボーカルドールはトモチケをパキれない」というルールが示される。プリパラでライブをすると、最新のアバターのデータと新しいコーデアイテムが載った「プリチケ」が印刷されるのだが、上部は「トモチケ」としてパキっと折って友人と交換することで、次回以降のライブ時にチームを結成することができる。トモチケをパキれないということは真の友達にはなれないということ、つまり画面の内側にしか存在しないあなたのアイドルは、あなたの人生とちゃんと交錯してくれるのか?という問いがそこには含まれているのではないだろうか。(答えを言ってしまうと、YES!)
また、2ndシーズンでは、リアルワールドの芸能界で活躍しつつも、人間不信で「ボーカルドールになりたい」と願う、ひびきというキャラクターが登場する。ひびきの願いは「悲しいこと」で、思い留まらせなければならないとらぁらたちは奮闘することになる。のだが。
私はこの展開に結構抵抗があって、と言うのもだったらファルルはどうなるんだよ~~~!!!ファルル、いつも一緒にいられる友達ができるから嬉しいて言ってたじゃん!それはそれでいいじゃん!あれだけプリパラ内での私をそれも君なんだよて肯定してくれたじゃん???現実礼賛なんてくそくらえだ!!!!!
特にパルプスから来たナチュラル少女・ふわりがファルルに苦言を呈するシーン(第86話参照)、「マーガレットね。私のふるさと・パルプスでも草原に沢山咲いてるのよ」「あなたにも見せてあげたい。パルプスで、どこまでも自由に咲き乱れる花たちを。あなたのマーガレットに劣らない美しさよ」ファルルは見られないんだが?という感じである。完全にキッズアニメを成人が見ているのが悪いんですが、まだこういう教育的な思惑にはキレてしまう……(ちなみに3rdシーズンの子育て要素も結構キツい)
とは言え最終的にファルルは、「まほちゃん(ひびきのこと)は今のままでファルルのともだちなの!」とらぁらに命運を託すことになる。リアルな存在とヴァーチャル存在、そんな区別自体もはやしなくていいんだよと捉えてなるほどね~~~~~してる。

また、以上のようなヴァーチャルな空間を「いつかは卒業すべきもの」として描いていない点も推せる。1stシーズンではクリスマス回こと第25話「クリスマスプレゼントフォーユー!」で(!)、らぁらの母親と校長先生の現在進行形の物語が描かれた。ただの現実礼賛、プリパラで希望や夢を得るのもいいけど後はそれぞれの人生を現実的に頑張ろうな!という話ではなく、プリパラのある日常というかヴァーチャルの溶け出したリアルというか、いつでもそこにあるもの、そういう話なんじゃないかなと思う訳である。

リアルワールド/プリパラという区分は、平凡な日常/希望・夢のある空間、リアル/ヴァーチャルという区分と対応し、一見絶対的に見えるのだが、それぞれに越境可能なもの、むしろその境界線が融解したときに面白さがある。「プリパラ」最終話でファルルが数時間だけリアルワールドに出現し学校生活を楽しむ展開があるのだが、あれはきっとその想像力、それこそ希望とでも呼ぶべきものを肯定しているんじゃなかろうかと受け取った。

 

だから唐突だけど、プリパラ=ネバーランドだと思うんですよね。(NEWSの話だよ~~~~~!)

ネバーランドは「テーマパークのように、存在はいつもそこにあって、そこに行くために、また頑張ろうって思える場所」で、「現実にだってファンタジーは起こりうる」だった訳じゃないですか。心にネバーランドでの旅を通して獲得した希望を持っていれば、現実だってファンタジー的な希望に満ちた空間に変えていける(、そしてまたいつでもネバーランドに還ってくれば良い)、ていう。「プリパラ」も多分同じことを言っていて、プリパラでは「変身」することで自信が持てて、ライブという形で自己実現でき、相互に笑顔になれて明日への希望が持てる。

それに、第1話で突然コンビを組んで一緒にライブしてほしいと頼まれたものの、ステージで歌ったこともないし、ダンスだってやったことないし……と言うらぁらに、みれぃは言うのである。「プリパラは好きぷり?」「じゃあ大丈夫、できるぷり!」

第24話の校長先生を説得するためのライブ前にも、第139話でプリパラ崩壊の危機が訪れたときにもリフレインする象徴的な台詞の一つなのだが、これって「ネバーランドの鍵。それはNEWSをずっと愛し続けてくれている、あなたの心です。」とイコールではないだろうか。さんざ鍵ペンラは魔法少女のステッキなどと言われていたがマジで、プリパラアイドルと同じく、NEWSもまた魔法少女タイプのアイドルだったのだと気付かされた!!!!!

Take off now

アイドルと魔法少女の話をもっとしたいので、アイドルタイムプリパラについて。 

本作品の主人公は、夢見がちなゆめかわ少女・夢川ゆい。プリパラアイドルの活躍に刺激され、少女たちが自らの「夢」を取り戻し、創り出していく様子が中心的テーマに据えられていて、「アイドルは男の子がやるのが常識」な町・パパラ宿で、女の子がアイドルやってもいいじゃん!女の子が夢を持ってもいいじゃん!と奮闘するという、改めてアイドルの持つ無限大のパワーについて、をやろうとしている作品です。そしてここが重要、ゆいの初めての衣装はまんま魔法少女モチーフです!

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それと同時に、「プリパラ」では第8話でらぁらがアイドルとして「観客を楽しませる」ということを学ぶときも、それぞれの大会で優勝したり物語的危機を解決する際も、「トモダチ」との交流が一番に重視されていてそれは本作品でも出てくるのだけれど、よりそれぞれの少女の自己実現に焦点が当たるようになったことに注目したい。つまり、魔法少女化は自己実現の重視と連動している。

パパラ宿にはかつて古代プリパラが存在し、昼の精霊・ファララと夜の精霊・ガァララが昼夜交代で少女たちを見守っていたが、誰もいない夜の担当に嫌気が差したガァララが、少女たちの夢を奪うことでファララを眠らせてしまう。そのためパパラ宿の少女たちは夢を持つ気すら起きず、言ってしまえば抑圧された状態にあった。

ゆいはその中で例外的に夢見る力が無限に湧いてくるゆめかわ少女で、パパラ宿にプリパラができるなり、先にダンプリ(男子プリパラ)でデビューしていた兄を追いかけてプリパラデビュー、パパラ宿の少女たちにプリパラの楽しさ、夢を見ることの素晴らしさをアピールしていく。そして少女たちは、ゆい(と神アイドルの仕事でパパラ宿に転校してきたらぁら)に影響され、それぞれの幼少期に摘み取られてしまった夢を取り戻すのである。

ゆいとチーム・MY☆DREAMを結成することになる、にのみちるもそう。にのはスポーツ万能、各部活の助っ人として活躍しており、アイドルも熱血であると知ってプリパラデビューするも暫くは夢を見つけられずにいたが、第33話でガァララから「ヒーローアイドルになる」という夢を取り戻す。更に直後のライブによって、「ヘアメイクアーティストになる」という、ゆい&らぁらの影響で咲いた夢(第9話「おしゃれスタジオ始めたっての」参照)を奪われていたちあ子も、再び夢を取り戻すのだ。更にさらに、第35話「未知とのミーチル」では、「小さ過ぎて奪うことすらできなかった」みちるの夢が開花する。実はみちるは、幼少期に夢を摘み取られそうになったとき、「私に夢はありません」と言い聞かせて自分で封印してしまっていたのだった。このような夢の連鎖が、ゆいたちにガァララと対決する力を与えることになる(この連鎖は「プリパラ」の「トモダチ」概念をちゃんと引き継いでいて好きなところ!)。

「アイドルは男の子がやるのが常識」という設定といい、現代社会の女性の社会進出に伴うあれこれに露骨に触れた点で、ある意味教育的になってしまったなという残念さ、というかただ当たり前に、誰にでも自己実現が許されていると示した「プリパラ」の方が先進的な世界だったのではという感は否めない。しかしながら、「アイドルタイムプリパラ」がこの先面白い境地に達するのではと期待してしまうのには理由がある。ゆいたちのライバルとして登場する、しゅうかの存在だ。

しゅうかは「アイドルタイムイズマネー!」と言い放ち、「どんなことでも即実行、即実現できる私に、夢なんか必要ありませんわ」とゆいたちと真っ向から対立する。一方で「♪パンがないなら 作ってやるわ」と歌う大変な努力家で、効率良く時間を使うためにクーポン券をばらまいて宣伝するし労働力を買う(第27話「華園しゅうかでございます」参照)。が、クリスマス前に行われたアイドルタイムグランプリで敗北し、現在はガァララに憑りつかれてしまっている。そしてらぁらたちはファララとガァララ、2人とも一緒に起きていられるための方法を探しているところなのである。だから「昼/夜」がどう合わさるのか、「夢/現実」の二項対立がどう回収されるのかが問題なのだが、ゆいとしゅうかの考えは意外と近い点があるように思う。

まずここで、本作品の主軸となっている「時間」のモチーフを見てみると、キャッチコピーは「み~んな集まれ!アイドル始める時間だよ!」。1stop「Just be yourself」のサビは「♪一秒一秒が 過去に変わる“イマ”を 全力で愛していこう! 抱きしめて Our Dream」。「夢を見る=アイドルになる=今を全力で生きる」、つまり漫然と他者の価値観に流されて生きることとの対立として「夢」は描かれているのだ。

だから、ゆいソロ「チクタク・Magicaる・アイドルタイム!」はサビが「♪形のないモノこそ ほしいよ!」「♪ドキドキ待ちきれないなら チクタク 今とらえて! チャンスは一瞬だけよ」、そして「♪時よ何時も美しい!」。一方しゅうかソロ「Miss. プリオネア」は、サビが「♪ねぇ 何よりも時間がほしいよ 待てないの!」「♪夢なんかよりも ねぇ 何よりも実感がほしいよ マテリアル!」で、「♪未来はダイヤよりもコウカ」「♪値段のついたモノは 大したことないのよ」。ゆいは形のない「夢」、しゅうかは実体のある「現実」を求めるという点でははっきり対立しているのだが、それは「今やって来ようとするドキドキ」、「プライスレスな実感」が欲しいからなのではないだろうか。

だが同時にしゅうかの限界も明らかで、チームを組まず、友達作ろうとしないしゅうかは、ファンに対する愛もない。プリパラではライブでお金を取らないのだが、しゅうかは例外的に入場料を徴収している。自分で「値段のついたモノは大したことない」と歌っておきながら、他者とはお金を通じてしか交流できないのである。プリパラの良さは友達になって相互に笑顔になれること、希望の感染である。しかしながら、しゅうかのやり方ではお互いがお互いにとってのアイドルでありファンであるような、「トモダチ」関係は形成されない。

ちなみに、MY☆DREAMの初オリジナル曲「Believe My DREAM」では「♪世界旅行に旅立とう」という歌詞がある。夏休みに地方のプリパラを訪ねる展開があったことからも、自分たちがより広い世界で活躍したいというだけでなく、「夢」を広めて「トモダチ」の輪を広げようという動きとして捉えられるだろう。実は「プリパラ」2ndシーズンの終盤、メインキャラクター全員で歌った楽曲「アラウンド・ザ・プリパランド」では、「♪世界中がトモダチ」とあった。MY☆DREAMはその流れを正しく汲んでいるわけである。

個人的にはやはり魔法少女タイプの、希望を感染させていくアイドルが好きなのでゆいに肩入れしてしまうが、しゅうかの言うことはめちゃくちゃ理解できるし、両者が融合した先を見てみたい。というのが第39話時点での感想である。

ごきげんなMusic

ここまで好きポイントを書き連ねてしまったが、「プリパラアイドルもNEWSも魔法少女である」の他に、やっぱりそれぞれのアイドルが魅力的で最高だから是非視聴してくださいってことも言いたかったので、特に好きなライブを紹介したい。

てかまずプリパラの凄いポイント「3DCGライブがわくわくする!」をまだ書いていなかった。アニメと3DCGと言えばやはりプリキュアのエンディングダンス。2008年放送の「フレッシュプリキュア!」以降定番化していて、今年度も最先端の素晴らしいクオリティであることは間違いないのだが、他作品においても(アイドルの)ダンスを3DCGで見せる、という点については様々な試行錯誤が繰り広げられている。

その中で本作品の好きなところは、一言で言うとコンサート空間の作り込み!

まずアイドルの顔が可愛く映る角度がちゃんと分かってるし、カメラワークがちゃんとしてるし、会場やセットは意外とリアルな作り、そこに丁寧な照明演出とキラキラのエフェクター

薄暗いコンサート会場は1万弱くらいの規模で、メインステージから始まって花道を移動、大サビは2段になるセンステで「サイリウムコーデ」に着替えてキメる、というのが大きな流れ(これは筐体をプレイしたときも同じ)。サイリウムコーデのキラキラさもさることながら、楽曲に合わせたライトの点灯やペンラの海が揺れる様子も最高。アイドルだけでなく、コンサート空間全体の演出がめちゃくちゃアガる。


PriPara プリパラ EPISODE 114 Tricolore「Mon Chouchou 」

これは左からファルル・ひびき・ふわりの前述した3人によるチーム・Tricoloreの結成直後のライブ!(「Mon chouchou」)ふわりバク転してる……!とかモーションの優美さもそうなんだけど、3人のメンカラに揺れるペンラの海が最高ッ……!ミュージカル調のテンポの変化に合わせて照明の色が変わるのもめっちゃ良いし、白っぽいキラキラの圧倒的説得力、エンターテインメントの輝きが天元突破してるし、宇宙(そら)を煌めきで埋め尽くしてるよ~~~~~!135話のらぁらたちとの対決時も歓声といい本当に良いので、是非そこまで辿り着いた暁には堪能していただきたい。

トリコロールは、ボーカルドール・一流芸能人・自然界の王者という強過ぎるメンバー構成なので、それぞれのソロもやばい!ファルルソロ「0-week-old」はバレエモチーフ!?と大きな衝撃があり、ひびきソロ「純・アモーレ・愛」は勝者のオーラを前に跪くしかなかった。初披露時の第73話はAパートと特殊edでライブが行われたのだけれど、こんなの勝てない……という絶望と、ひびきさまになら支配されたい……という欲望でないまぜになる。メイキングドラマ(サビ前に差し込まれるイメージ映像のこと。これで観客にメッセージを届けるらしい)のサファイア革命純真乱舞!!!もめちゃくちゃ良い。ゲームでひびきサイリウムコーデをゲットしたので、あらゆるキャラに着せて純・アモーレ・愛を歌わせている(ガァルルめっちゃ良いです)。ふわりソロ「コノウタトマレイヒ」はヤギ可愛い(ひびきとデュエットver.もあるよ!ふわりは仔ヤギとチームを組んだりもするよ!)。


PriPara プリパラ EPISODE 26 FALULU BOKERDOLE 「0 week old」


PriPara プリパラ EPISODE 73 Shikyoin HIBIKI 「純・アモーレ・愛」

らぁらはと言うと、ポップなみれぃと、天賦の才を持つそふぃとチームを結成してます。SoLaMi♡SMILEていいます!ラブリー・ポップ・クールの良バランスで、でも後発のチームのような計算されたメンバー構成ではなく、この子しかいない!と友達になってからチームを結成している王道チーム。実はみれぃはプリパラの外では風紀委員長で両親は検事と弁護士、でもポップなぷりぷりアイドルになりたくて計算を重ねる……という大変愛しいキャラ。そふぃは普段は体力がなくてくらげのように漂っているのだが、梅干をかじると一気にシャキッとクールになって「元気にしてた?籠の中の小鳥ちゃんたち」と会場を沸かせる罪なキャラ。


PuriPara SoLaMi♡SMILE 「Happy Pa Lucky」

そらみスマイル最高のライブと言えばやっぱり、第135話で最初のop曲でもあるMake it!を歌ったときになっちゃうのだけれど、それはもう見ていただくしかないと考えているので好きなやつ!1stシーズン、校長先生にプリパラを認めてもらうために文化祭でゲリラライブを行ったときの楽曲が「HAPPYぱLUCKY」(第22話参照)。多幸感が凄いし、大サビ前の力強い「♪神アイドルへ!!」で、ああこの子たちが天下を取るんだな~と悟ったのだった。主人公力が凄い。

そらみは完全色違い衣装をよく作ってくるイメージがあって、パステルカラーのらぁら、アメリカンな色遣いのみれぃ、大人可愛いそふぃと同じデザインでも全然違う印象になるのが女児心、もといコレクター心をくすぐる。

DressingPaféは、そらみスマイルへのライバル意識で結成されたチーム!双子のドロシー&レオナと、囲碁世界チャンピオンのシオンで構成されていて、初めは対そらみで繋がっているだけだったのが真のチームになっていくのが見どころ。推しです。センター+シンメのフォーメーションが確立されていて振付がはちゃめちゃ可愛い……可愛い!


PriPara プリパラ Episode 22 「CHANGE! MY WORLD」

これは同じく第22話から「CHANGE! MY WORLD」!この先キラキラヘソ出し衣装とか忍者衣装とか(ドロシー&レオナの実家は「にんじゃもんじゃ」というもんじゃ屋さんなのだ!)うきわが付いてる水着衣装とかで何度も歌うことになるのだが、いつも可愛い~~~~~「♪夢のDoor 『三位一体』でなら」とか、サビ前のキュルルルルルルルーン!てとことか、「♪オンナノコも♪ オトコノコも♪ 歌おうよ♪」とかありえん可愛い、双子シンメは最強過ぎるし、でも夢のDoorは三位一体でなきゃ開けないんだよ……!3人チームとして完璧なのだ……!

2ndシーズンの新キャラ・Armageddonは天使キャラ・みかんと悪魔キャラ・あろまの幼馴染による絶対的シンメ。2人の間には誰も入ることはできないと思われていたところ、ボーカルドール・ガァルルの加入でGaarmageddonになったよ!まず楽曲が凄い!これは3人の初めての楽曲アメイジング・キャッスル」で、とにかく楽しい〜〜〜可愛い!私これマリウスセンターでちびーずに歌わせたら絶対可愛いと思うんですよ……!衣装もスチームパンクぽいのとかいつも可愛いの出してくるし、何気に「アイドルタイム」でもレギュラーだし強い。


PriPara プリパラ EPISODE 106 Gaarmageddon「Amazing・Castle 」

3rdシーズンは、らぁらの妹・のんのプリパラ参戦など、姉妹の話が主軸になっており、しっかり者ののん、プリパラ外では内気だけど中では高飛車なセレブのちり、サパンナから来た野生児のペッパーによる後輩チーム・NonSugarが結成されます!属性はトリコロールと同じ、ラブリー・セレブ・ナチュラルの構成なのに、チームのカラーは全然違うのだ!チームとしてまとまるまでに時間がかかるのだが、そのばらばらさこそが魅力!グー・チョキ・パーで無敵!


PriPara プリパラ EPISODE 120 NonSugar「Sugarless×Friend 」

こちらオリジナル曲シュガーレス×フレンド」になります。イントロと一緒にぱっとスポットライトが当たるのもそうだし、「♪いつの間にか なんか仲良し」で手を合わせるところの影の入り方もめっちゃ良い~~~そらみなどの明るいステージだとどうしてもセットが広く見えがちで、そらみはむしろ広がる、ドレシは寄って魅せるんだけど、ノンシュガーはMステばりのカメラワークで勢いを表現しているのでめっちゃTV映えする。

あとやっぱり、UCCHARI BIG-BANGS「愛ドルを取り戻せ!」には触れざるを得ない……!神アイドルの座を巡りトーナメント戦が行われた3rdシーズン終盤、ダークホース的に登場したチーム。左からコスモあじみちゃん子。コスモはそふぃの姉でサイリウムコーデのデザイナー、天才芸術家のあじみは美術教師としてらぁらたちの学校に赴任、ちゃん子はそふぃ親衛隊の一員でありながらグラビアアイドルになろうとしたりしなかったりする、まあとにかく濃い面子で、しかしこの最終盤でちゃん子モデル作っただけでやばい。社会人と熱烈なドルヲタ、プリパラへの愛が溢れ出してこうなったんだな……!て感じがめちゃめちゃ気持ち良い、イントロのヘドバンと特効で問答無用にアガる~~~~~


PriPara プリパラ EPISODE 129 UCCHARI BIG BANGS「Idol o Torimodose!」

それから「アイドルタイム」も、それぞれのソロ曲も面白いし、ペアライブも導入されたし、どんどん「プリパラ」のキャラクターも先輩として登場するのでサービスが凄い。にののテクノな楽曲も踊り出したくなるくらい良いんだけど、ここはみちるソロ「GOスト♭コースター」。これまでなかった大人っぽい楽曲~~~!恋ダンスみたいな振付もクール!


[HD] Idol Time PriPara - アイドルタイムプリパラ - GOst ♭Coaster - Michiru Kouda - Episode 15

そして何よりやばいのは、ダンプリがあるってことですね……。

ゆいたちの暮らすパパラ宿では先述のとおり、「アイドルは男の子がやるのが常識」で、女の子はダンプリの配信を楽しみに待つ日々なんですよ。ヒツジに変装して潜入したりもするけど!そのダンプリのトップアイドル、WITHの3DCGライブが放送されたのが第32話「WITHとプリ×プリフェスティバル!」(「Giraギャラティック・タイトロープ」)。ゆい&らぁらのメイド服&執事ペアライブが放送された回でもある。


[HD] Idol Time Pripara - アイドルタイムプリパラ 32 - WITH - ギラ・ギャラクティック・タイトロープ

WITHは髪色で分かると思うんですが、明るいウェイのアサヒ、可愛いキャラのショウゴ、ミステリアスなコヨイの3人組。実はショウゴはゆいの兄で、意地悪してくるし、お兄ちゃんばかりアイドルやってずるい!!!という感じで、ゆいがアイドルになったことでアイドル同士の関係が始まるのがアツ過ぎる。

それまでのプリパラ3年間の積み重ねがあってなのは勿論なのだけれど、WITH、軽率に良いから……!「♪嘘だよぐっときたよ」ずる過ぎない???「be with you……」は実質「Sexy rose……」\パリーン!/ そしてなんと、今なら筐体で月末までダンプリモードがプレイ可能!

キャラ紹介がてら3人チームのライブに偏ってしまったので、5人チームのも。「オムオムライス」!


Cosmic Omurice DaVinci • Omurice •

「♪一口だけで しあわせ弾む スポットライトに照らされて きっと キミは 理想のアイドル みんな笑顔にしちゃう」分かるオムライスはおいしいよネ~~~~~デリシャス!コスモさんとあじみ先生が美術学校時代一緒に食べていた思い出のメニューというエピソード付き(第65話参照)。とにかくキャッチ―な歌詞と飛び跳ねるような振付でどんどんわくわくしてしまう~~~~~!好き!

 

 

と、いう感じで、一言で言うとプリパラめちゃくちゃ楽しい……!まずアニメを見ていただいて、3DCGライブもまだまだ沢山あるので是非覗いていただいて、そして筐体に行こう!ゲーセンは比較的キッズが少ないので行きやすいが、健全な気持ちでプレイしたいので私は平日昼の近所のデパートのおもちゃ売り場に行ってますね。プリチケはただのコーデカードではなく、思い出なので帰宅してからも矯めつ眇めつして次回のコーデ考えたりする……。参考文献。

筐体ゲームの楽しみ方はネットワークと対極にある - 『プリパラ』誕生秘話と今後の期待、タカラトミーアーツ・大庭晋一郎に聞く【前編】 | マイナビニュース

来年度以降どうなるかは分からないけれど、末永く魔法少女型アイドルという発明が続いていくことを祈っている。

*1:3rdシーズンまで全140話、2017年度の最新作「アイドルタイムプリパラ」も随時配信中で、月額500円しかも初月無料!震えるコスパの良さ……!(でもまあ、とりあえず第1話だけならニコ動が早そう。http://www.nicovideo.jp/watch/1405499565

*2:昨今は新人アイドル声優が作品内同様にユニットを組みコンサートを行うケースもあり、その場合は作品内のキャラクターたちとのリアルタイム感も増すのかも知れない。何を隠そう本作品でも主人公らのキャストはユニット活動を行っている。