アイドルのいない月曜日

入信しました。

星に名前をつける

イエーイNEWS担何してる?グリーンマイルかな?全滅したので当日券を狙うよイエーイ ところで新曲が出ないねイエーイ

こう穏やかな時間が続くと他のものにお金使わずにはいられなくなる性質なので、夏休み色々満喫して大変楽しく少し虚しい。NEWSはやばいのでいつも希望を叶えた上で200%サイコーなものを出してくれるのですが、流石にそんな経験は得難いから……。

さて、二次畑が長かったので、ジャニヲタ化するや否やアイドルものが俄然気になり、先日もTHE IDOLM@STER SideMのJupiter編で胸を熱くしていたりなんかしたのですが、一番ガチなのはあんスタです、どうも絶賛推しイベ中です。

と、いうことで今回はソシャゲあんさんぶるスターズ!の話をします。書いている人はKnightsPですご留意ください。

 

「少年漫画」はお嫌いですか?

まず簡単にダイマ。というか、あんスタのここがアイドルもののゲームとして好きなんだというポイントから。

あんさんぶるスターズ!」(以下あんスタ)は、私立夢ノ咲学院に通う37人*1の個性豊かなアイドル課の男子生徒たちを、唯一の女子生徒、唯一のプロデュース課の生徒である「転校生」こと「あんず」として支えていく物語である。

と書くと乙女ゲームかな?と思われるかも知れないけれど、あんスタは少しそれとは異なっていて、「少年漫画」*2の要素がかなり強い。あんスタというゲームのメインコンテンツはボリュームのあるストーリーなのだが、そこで繰り広げられるのは血沸き肉躍る、なんていうか……戦争?の模様なのだ。

ちゃんと書くと、メインストーリーでは「生徒会による絶対王政を、主人公Trickstarが革命によって民主化する」というストーリーが描かれている(この部分は実はメインライター・日日日さんによる公式ノベライズの方が充実しているので、是非そちらを手に取ってみていただきたい)。ただこの生徒会も私利私欲のために動く悪役ではなくて、長年の芸能界との癒着によって腐敗しきり、個人の才能に依存していた夢ノ咲学院を、強固な競争システムによって立て直そうとする、という立場なんですね。そして以降3年間に渡って配信されてきたイベントストーリーでは、時に町でライブしたり学院祭で演劇をやったり海ではしゃいだり体育祭で借り物競争をしたり、ひたすら可愛い回もあるのだけれど、とてつもなく重苦しい政治や才能やバックグラウンドにまつわる物語が展開し続けていて、この闇がね、めっちゃ居心地が良い。光は闇の中でしか見いだせない教だから……。

そもそも私はミステリが好きで、何だかんだ二次元を好むようになってからも「好きな雑誌はジャンプSQ.」て育ち方をしているんですよ。美麗な絵柄、厨二心を満足させる設定、ダークながら少年漫画らしさを意識したストーリー、的な。あんスタはめちゃくちゃ実家の味がする。神話の見立て、言葉遊びも多くて考察欲が煽られる。

勿論好きなキャラ、ユニットを推す楽しみもあるし、乙女ゲーム的なキャラとの触れ合いも多少フォローされている。ただどうしてもストーリーラインががっちりある作品なので、ノベルゲー的というか、攻略要素は少ない。プレイヤーに任されているのは「レベル上げ・イベントポイント稼ぎのために画面を無限にタップする」ことだけなので……(一方で「あんず」とプレイヤーが乖離しきらないところが絶妙なバランスなんですよ)。

あと、向こうは卵とはいえ鍛錬を積んだアイドルでこちらは素人だし、お互いに目の前の仕事にいっぱいいっぱいなので、完全なプロデューサーでもファンでも彼女でもなく、後輩/同級生/先輩且つ仕事仲間、の関係性がしっくり来るかなという感じはする。もっと言ってしまえば、二次創作でよくある「モブ視点」的な。夢小説でも完全なモブでもなく、人格があるタイプのモブ。クラスメイトとかご近所さんとかコンビニの店員として、キャラたちの秘密を目撃してしまう一般人。解釈が分かれるところかも知れないけれど、私は「あんず」は今後も特定のキャラ・ユニットの専属、「○人目のメンバー」というか、アイドルに依存した立場にはならないと思うんですよね。学院の改革の一助としてプロデュース課の設置が決まり、「あんず」にも夢ノ咲学院、ひいては芸能界を改革してくれと期待がかけられ、実際日々鍛錬をこなしているわけで、彼女も一人の戦士なんですよ。

Trickstarのプロデュースをするところから物語が始まり、以降様々な依頼に答えていくのだけれど、「あんず」が関係しない仕事の話もあるし、例えば生徒会メンバーも所属するfineなんかは専属のスタッフを抱えているので、「自分が企画しないドリフェスを見て勉強するのもいいだろう」と招待されるに留まったりする。今開催中のイベント「フルール・ド・リス」でも、「あんず」にプロデュースを依頼しようとするが、あまりに多忙なので取りやめる、というエピソードが出てくる。キャラたちもそうなんですが、めちゃくちゃ自立している……。あんスタでは今のところ「あんず」が2年生の1年間を繰り返し描かれているので未来のことは明かされていないが、卒業式の後門の前で「達者でな……!」と思い思いの方向へ歩き出すイメージがある。

いや画期的、女オタクの最適解だと思っている。この方法を取ることによって、「あんず」転入以前の過去のエピソードや「あんず」の与り知らぬエピソードを、部屋の壁や天井や地面になって聞けるんですよ。一方「あんず」=プレイヤーがアイドルたちと交流しているという、同一化も妨げず。キャラたちからの呼びかけがない限り「あんず」がその場にいるか分からないのだけれど、ずっと部屋の外で立ち聞きしていて、呼びかけによって入室する、みたいな感覚ですね。

ちなみに作品内でキャラと恋愛のレベルまで親密になることはほぼないんですが、「キャラ+あんず」的な楽しみはめちゃくちゃあります。例えば私は瀬名泉さん(Knights)というキャラクターを推しているんですけど、彼の執心している遊木真くん(Trickstar)に近付いたことで、初め敵対視されているんですね。それはもう姑のようにいびり倒されるんですが、元来世話好きな性格なので、料理とか教えてくれて*3、先日はペアを組んで料理コンテストに出場しました。*4

f:id:raaaan:20171009174524p:plain

f:id:raaaan:20171009174532p:plain

f:id:raaaan:20171009174528p:plain

f:id:raaaan:20171009174537p:plain

泉さんは上下関係にも厳しいので、厳しく鍛える先輩/食らいついていく後輩という関係性に。

守沢千秋(流星隊)の「お前は彼女じゃないけどな」も、「お前の彼氏になる人は幸せ者だな」的な、先輩であり「ヒーロー」である自分はそんな勘違いしないけれど、ありがとう、という大変味わい深い、レモンの味のする台詞なんですよ……。

f:id:raaaan:20171009182416p:plain

f:id:raaaan:20171009182421p:plain

f:id:raaaan:20171009182425p:plain

f:id:raaaan:20171009182430p:plain

この辺りに関しては、参考文献として『ユリイカ』2017年2月号を挙げておきます。

 

では肝心のキャラクターですが、これを見てみよう!

キャラクター | あんさんぶるスターズ!

公式HPがちょっと見ない間にめちゃくちゃ充実している……。

あんスタの醍醐味と言えば、意外な交流!(ジャニーズもそうですけどね~~~!)まずは所属ユニット別に表示させてみてカラーを掴んでほしいのですが、下にスクロールして「関連性のあるキャラクター」をご覧ください。クラス、部活動、委員会、幼馴染などなど何通りにも人間関係が楽しめるのです。イベントでも基本はユニット毎のアイドル活動にまつわるストーリーが展開されている一方、スカウト(ガチャです)では部活動のエピソードが補完されたりとサービスしてくれる。クラスメイトが部活の先輩に話を通してくれたり、部活仲間とライブで対戦したり、学園もので良かった~~~!

私の推しとしてはですね、紅茶部は「皇帝」こと生徒会長・天祥院英智(3年 fine)と、その敵の弟で吸血鬼・朔間凛月(2年 Knights)と、清貧かわいいうさぎさん・紫之創(1年 Ra*bits)で構成されている、紅茶を飲んでお喋りする部活なんですけど、御曹司の天祥院先輩と苦学生の創くんが一緒に紅茶を嗜むことなど、こういう機会がなければ見られない……でも現実には女子校さながらのエレガント可愛い、そこに少しのスパイスなお茶会が繰り広げられていて……妄想かな?

f:id:raaaan:20171009222235p:plain

演劇部も本当に最高で、何事も「普通」な真白友也くん(1年 Ra*bits)は元々アイドルが好きで中学生の頃から夢ノ咲学院のライブに足を運んでいて、そこで見た演劇部の超美人に憧れて入部するものの、それは実は男でしかも女装を迫ってくる変態仮面だった……平穏な学園生活よさらば!てところから始まり、いつも王子様役を任されるクールな氷鷹北斗先輩(2年 Trickstar)と演劇の研鑽を積み、エンターテイナーとして非凡な才能を持つ変態仮面こと日々樹渉部長(3年 fine)を何だかんだ尊敬している一方才能問題でこじらせたりと、部活動の方もめちゃめちゃアツいんですよ……。

f:id:raaaan:20171009222310p:plain

f:id:raaaan:20171009222315p:plain

f:id:raaaan:20171009222321p:plain

f:id:raaaan:20171009222327p:plain

 

あんスタ推しGシート

で、こちらは私の推しKnights!

「優美かつ華麗な騎士道ユニット」の名に恥じず、皆顔が綺麗……。良くも悪くも「個人主義」だったのが、段々それぞれの個性を活かしつつもホームとしてKnightsがある、という様に変化していくんですけど、まあNEWSですよね(主観です)。公式で「ファンサが手厚い」設定もあり、職業アイドルとしてファンのことをお姫さま扱いしてくれるんですよ……まあNEWSですよね……(主観です)。

f:id:raaaan:20171009224854p:plain

f:id:raaaan:20171009224901p:plain

f:id:raaaan:20171009224909p:plain

f:id:raaaan:20171009224913p:plain

あんスタは先に述べた通り、学院改革やそれぞれのこじらせた事情の解決、そこまで行かなくともアイドルとして何をステップアップさせたいか、ユニットとしてどう仕事をするか、といった部分をストーリーとして読むのが主眼なので、ライブシーンに関しては音楽もないしモノローグで繋ぐんですが、メンバーのパフォーマンスに煽られたり、自分たちの感慨を語ることに終始しがちなんですね。Knightsは観客を意識してくれるので好きです……。(先日はあまりにKnightsのライブに行きた過ぎて、舞台のライビュに行った。Knights5人の立ち姿だけで麗しくて最高だった。)

多分モデルの2人を始めとして、「他者から見られている」意識がある人物の物語が私は大好きなんですよ。その上で自らこうありたい、こう見せたい、と下した選択ほど尊いものはない……自己プロデュースが好き……。

あとKnightsは衣装が最高。一番思い入れがあるのは先にも貼ったクリスマスのときのものなんですけど、布が高そうで良い。どれも優美且つ華麗な騎士風のデザインなので、冬の大型歌番組にぴったり!

メンバーはこんな感じ。髪色で見分けられます!!!て書こうとしたけど、二次元大体そうだったわ。

f:id:raaaan:20171009174939j:plain

リーダーの月永レオ(3年)。2年生のときに天祥院英智に心を折られたので、二学期まで不登校。天才作曲家で、既に覆面作家でプロとして活動。

f:id:raaaan:20171009222510j:plain

リーダー代理の瀬名泉(3年)。モデル。プロ意識が高いがゆえに刺々しいが、世話好き。美しいゆうくんが好き!過ぎて監禁する。

f:id:raaaan:20171009174930j:plain

朔間凛月(2年 留年している)。吸血鬼なので昼間は寝ているがスキルはある。ピアノが弾ける。幼馴染で眷属(かぞく)のま~くんが好き!

f:id:raaaan:20171009174934j:plain

鳴上嵐(2年)。モデル。心は乙女。椚先生にラブ。

f:id:raaaan:20171009174556j:plain

朱桜司(1年)。Knightsの「騎士道精神」に感銘を受けて入ってきた御曹司。英語の発音が良い。

Knightsの基本的な流れをまとめると、

  • 4月に革命中泉さんがゆうくん(Trickstarの遊木真のこと。キッズモデル仲間で、「お兄ちゃん」と呼ばせようとしている)を保護監禁、謹慎処分に
  • 一学期の間はアイドル以外の活動で好感度を上げる
  • 二学期、リーダーのレオが帰還、一悶着ある
  • クリスマスにはプレゼント交換をするくらい和気藹々としたKnightsに

プラスして前年度の闇ストーリーが配信されている状況なんですが、まず泉さん!

彼は幼いころからモデル業をしているのでめちゃくちゃ意識が高いんですが、英智「よく鍛えられてるけれど、凡庸な無名の剣でしかない」と評されているところがめちゃくちゃ刺さる。

f:id:raaaan:20171009234041p:plain

この台詞が出た、前年度の闇ストーリーこと「追憶*モノクロのチェックメイト」は、絶対王政の確立のためにKnights、というかレオが利用される話なんですが、腐敗しきった夢ノ咲学院には「五奇人」と呼ばれる天才が君臨する一方、その他大勢はやる気のないアイドルもどきでしかない。その中で瀬名泉は腐らず地道に努力を重ねているけれども、自分が天才ではないことぐらい分かっているんですよ……。

でもレオはそんな泉に対して、お前を見ていると無限に霊感(インスピレーション)が湧くって肯定してくれる。あんスタは孤独を分かち合う関係を描くのがめちゃに上手くて、レオもずっと一人で頑張ってきた泉に、「たまに疲れたときに、背中を預けられるやつがいてもいいじゃん」て言うのだ。レオはレオで作曲しか自分に価値がないと思い込んでいて、作曲で奉仕することでしか自己肯定できない難儀な子なんですけどね!

f:id:raaaan:20171010003818p:plain

f:id:raaaan:20171010003823p:plain

f:id:raaaan:20171010003828p:plain

f:id:raaaan:20171010003832p:plain

f:id:raaaan:20171010003836p:plain

f:id:raaaan:20171010003841p:plain

f:id:raaaan:20171010003844p:plain

しかし最終的に人々の悪意に染まってレオは精神を病み、二人の青春は終わりを告げるのだけど、ここからが本編なわけですよ*5。他の三年生も大体そうなんですが、高校三年生にして青春が終わってるってめっちゃやばくない?戦乱の時代に青春を使い果たしてしまっているので……もう社会を知っている……でも考えてみるとアイドルてそういう職業なんですよね。その決意とプライドに乾杯。

レオについてはもう結構触れてしまったけれど、復学後暫くは、自らの手でKnightsを終わらせようと「ジャッジメント」(内部紛争を解決するための対戦式ライブ)を行ったり、裏方に徹しようとしたり、現在のKnightsのリーダーであることに居心地悪そうにしているのが、クリスマス頃には変わってきてリーダーらしい先輩らしいことをするようになるのがなるほどな~~~という感じ。その辺まだ補足が来そうなのでふわっとさせておきますが、ジャッジメントで司に「あなたには、まだ教えてもらいたいことが山ほどあります」と殴られ*6、「親の庇護って必要だなって」思うようになるの*7ユニットが本当の意味でユニットになる瞬間なんですよね……。Knightsもレオと泉以外は成り行きで加入した面子なので、4月の時点ではそれぞれの才能は認め合っているけれど、それだけなんですよね。お互いにメンバーとしての必然性を感じられるようになってからが強い。

凛月は……「吸血鬼」て何だよって思われるのは至極当然で、私も何だよって思ってます。とりあえず日差しに弱いのはマジ。日向の世界に引っ張り出してくれた幼馴染のま~くん(Trickstarの衣更真緒のこと)への愛で生きている。凛月を溺愛する天才の兄がいて色々あるんですが今回はそれは割愛。凛月がずるいのは、甘えたがりで寝てばかりに見えて、Knightsの参謀であり、日が沈んでからしか発揮されないけれど実力は高いところ。これもまだどうなるか分からないんですが、何だかんだアイドルの素養はあって、段々アイドルとしての朔間凛月が出来上がってくるんですよ。4月時点ではべたべたに依存しあっていた凛月と真緒が次第に相手から自立し、今イベでは真緒が来られなくなってしまっても全力のパフォーマンスを見せていて、多分未来では適度な距離感に落ち着く。それは凛月にも守るべきものができたからで、言ってしまえば仕事が楽しくなってきたからなんですよね。実は、一般人が職業アイドルの顔になっていくのを見る楽しみがあるのは凛月なんじゃないかと思う。

f:id:raaaan:20171010021850p:plain

f:id:raaaan:20171010021855p:plain

f:id:raaaan:20171010021900p:plain

f:id:raaaan:20171010021905p:plain

鳴ちゃんは今後補完が来る!はず!具体的には昨年のクリスマス、あんスタ闇事件簿が更新されてしまった「アタシのことを世界でいちばん綺麗だよ、大好きだよって言ってくれたひとが……アタシに何の相談もしないまま、夢破れて自殺しちゃった話」について……(※夢ノ咲学院には慰霊碑があります)。まだどこか飄々としている、椚先生大好き皆のお姉ちゃんの顔しか明かされていないんですが、鳴ちゃんを救済したい。ライブになると結構好戦的なところが好きです。

ラスト、末っ子の司くんは御曹司なので、「優美かつ華麗な騎士道ユニット」という肩書に誰よりも固執するんですが、まだまだ1年生らしいところがあるのが可愛い。甘いものに目がなかったり、同じく御曹司のクラスメイト・姫宮桃李くん(fine)と張り合ったり。どうかそのまま伸び伸び育ってほしい。そしてレオや泉とあれだけ禍根を残した天祥院英智を「天祥院のお兄さま」と呼び慕っているのがあんスタの面白さ。

 

転入案内

まあまずはダウンロードしてみてほしいのですが、ゲームシステムを補足。

あんスタでは半月に一度イベントと限定スカウトが実施されており、イベントポイントを貯めたりスカウトでストーリー付のカードを引くことで、新しいストーリーを読めるというシステムになっている。無課金でもストーリー回収は余裕があるくらいの感じ。イベントの合間に過去のイベントを進めることができたり、現在は過去の限定スカウトが復刻していて目当てのカードを引きやすい状況にあるので、気になる過去ストーリーを読むチャンスも用意されております。で、イベントを有利に進めたりストーリー付きカードのストーリーを開放するために育成が必要で、何をするかと言えば無限タップ……。

無限タップ。実際私の友人も「動物実験みたい」と言って長らく手を出してくれなかったんですが、見方を変えれば片手間にできるのは圧倒的アドバンテージなので……リズム感も戦略を練る必要もないし、TVを見ながら、ご飯を食べながら、講義中、etc.で終わるので……慣れよう!

年間通して季節に合わせたイベントが開催されており現在58期なんですが、外せないな~~~!と思ったものを紹介。ただ年度末に近付くにつれ仲が深まっていくので、最初に三学期のストーリーを読むのは勿体ないかも。でも私は三学期めっちゃ好き。システムが整備されてきて、嘗ては非公式だった対戦形式に限定されない、自由なドリフェス(ライブのことです)がどんどん開催されるようになり、キャラたちの変化も感じられる。一学期のぎすぎすした感じも良いんですけどね!

それと、今年から『キセキ』シリーズと題して、革命を成し遂げたTrickstarが年末の大規模ドリフェスで対戦する他校の精鋭との色々を扱ったイベントが配信されていまして、第2弾がじき開催です!EveとAdam、合体するとEdenとかいうやばい名前のユニットが登場してます!特大の闇が来ると身構えていたら第1弾のEveはほっこり終わって安心!Adamは早くも「博愛主義者」とあるのに「……その子たちのこと、壊しちゃったらごめんねって」などと宣う見た目ヒールな人と、「ー我らの輝かしい未来のために!突撃!侵略!制覇!」と演説していらっしゃる学生実業家がお出ましているので今度こそ闇かも知れない!震えて待とう!

メインストーリーは全部読まなくても、何となく世界観が掴めたら大丈夫。気になるなら公式ノベライズを読もう(ごり押し)。その上でストーリーの根幹に関わってくるのは、まず新キャラ投入イベント。

  • 「反逆!王の騎行」
  • 「追憶*マリオネットの糸の先」
  • 「追憶*集いし三人の魔法使い」

これに限らず「追憶」とついているものは前年度の闇ストーリーなので、ある程度キャラのことが分かってからの方が面白いかもだけど、推しにかかわらずいずれ絶対読んでくれ……!あんスタの地獄を体験してくれ!!!

手始めにおすすめなのはこの辺り。

  • 「追憶*初待ち桜と出会いの夜」Trickstar結成秘話 目立った地獄はないが、孤独がこれでもかと描かれる。あんスタのアイドル観がよく出ているので大変おすすめ
  • 「ジャッジ!白と黒のデュエル」Trickstar V.S. Knights Knightsが気になるならまずはこれ
  • 「宵の闇♪バンドアンサンブル」Trickstar&UNDEAD 先述した凛月と真緒のエピソードはここ
  • 「対決!華麗なる怪盗VS探偵団」Ra*bits&Knights 先述した友也くんと日々樹渉のエピソードはここ
  • スクランブル*夢の中のトイランド」fine&2wink ユニコーン桃李が可愛い
  • 「彩光!瞬きの星夜祭」各ユニットの3年生と1年生が選抜されてイブを祝うよ 交流を見る楽しみがある
  • 「迷い星*揺れる光、プレアデスの夜」Switch&Trickstar 占い師としての活動が忙しくなってきた夏目くんが将来について考える話。Switchのライブ中に「私の悩みを聞いてください!」って言い始める占い師・逆先夏目のファンのパンチが強い
  • 「ドロップ*遠い海とアクアリウム海洋生物部 学院でも「五奇人」として羨望のち迫害され、家庭でも生き神様として扱われてきた深海奏汰くん(流星隊)が人間になる話。チャラ男の羽風薫くん(UNDEAD)のイヤモニがクラゲだったことは記憶に新しい

結構偏りがあるんですが、ストーリーとして入りやすく少しフックがあるやつで。流星隊が気になるなら箱イベの「爆誕☆五色のスーパーノヴァ」かな。(私が読めてないのでアレなんですけど、「決別!思い出と喧嘩祭」(紅月&fine)も評判良いです……)

スカウトはね、あんスタは限定スカウトにおける限定カードの排出率が良心的なので、マジで気になる子は復刻スカウトしよう!!!流星隊編が終わってしまったのでいくつかのスカウトは復刻終了なんですが、まだまだあるよ~~~まあ顔で選ぶのが一番なんですけど、「エキセントリック」は凄かった。嘗て生徒会に「排除すべき旧時代の怪物」として羨望のち迫害された「五奇人」たちが時を経て忘年会する話なんですけど、妄想かよって感じ。例えるなら一昨年の「V6の20thコンサート後にJr.黄金期メンバーがV6縛りのカラオケした」並みの妄想度。なぜか3Aのクラスメイトでゲーセンに行った「荒野のガンマン」も、実はクラス縛りのストーリーはこれくらいなので大変ありがたかった。

ちなみに無理矢理決めるなら私的優勝はこれかな!!!

ゲーム外では、あんスタはアニメが決まっておりまして(放送延期だけど)、舞台も上演されていたりするわけなんですけど、まずはキャラソンでしょう!ユニット毎にリリースされ現在3周目。今回の第3弾の推しどころはイベントストーリーに沿った楽曲が収録されている点ですね。先ほどリンクを貼ったKnightsの場合、トラック2「Knights the Phantom Thief」は怪盗イベ、トラック3「Crush of Judgment」はジャッジメント時のもの。あんスタはどうしてもライブシーンの描写が希薄でめっちゃ飢えるので、こういうのは良い。

あと大好きなところ、コラボの意味が分からないところ。突然の叶姉妹、突然のブルゾンちえみ(今ならログインボーナスでwithB風カードがもらえるよ)、突然の大川ぶくぶ先生……。「推し変のススメ!新しいガムプレゼントキャンペーン」とかやっていて、真面目に天才だと思う。

 

と、ここまであちこち話が飛びながらあんスタに勧誘してきたわけですが、どうでしょう、転入する気にはなられたでしょうか。

ソシャゲってサービス終了したら後からその全てを楽しむことは難しいし、例えばこの濃密なイベントストーリーに関しても何らかの書籍の形で保存できる保証はないわけですよ。その意味では、あんスタが配信されている時空に生きる奇跡を是非大事にして、ちょっと覗いてみてほしいな~~~と思います。よろしく!!!

 

 

粗方語り尽くしたので最後にしんどいくらい最高だなと思ったあんスタのアイドル観。関係性を星で表すリリックは世間に溢れておりあんスタの中にも散りばめられているのだけれど、なるほど……てなったやつ。

f:id:raaaan:20171010053823p:plain

f:id:raaaan:20171010053830p:plain

f:id:raaaan:20171010053835p:plain

f:id:raaaan:20171010053841p:plain

f:id:raaaan:20171010053846p:plain

f:id:raaaan:20171010053850p:plain

f:id:raaaan:20171010053855p:plain

f:id:raaaan:20171010053902p:plain

そして月永レオと瀬名泉で〆ますが、「太陽と月」もよくあるけれど、二人は「月と月」なんですよ……。相手のことを「月」だと褒めるのって、自分だけはお前の素晴らしさを分かっているよ、てことだと思うの。瀬名泉のスマホカバーが月の柄だったときもめちゃくちゃしんどかった。青春は終わったとしても、嘗て確かにあったということは消えないのです……。

f:id:raaaan:20171010054520p:plain

f:id:raaaan:20171010054527p:plain

f:id:raaaan:20171010054532p:plain

 

*1:2017年10月現在

*2:ちなみに公式にも「少年漫画の方に近い感じ」と明言されている。

『あんさんぶるスターズ!』女だらけの開発者座談会!? キャラ制作秘話&裏話がてんこ盛り! - 電撃App

*3:キャラクター別ストーリー「料理は愛憎」

*4:「スカウト!クッキング」

*5:詳しくは公式ノベライズ第3巻収録「Lionheart」をご覧ください。

*6:「反逆!王の騎行」

*7:「スカウト!ロビンフッド

王子様の罪

暑い。ので、何だかんだ夏の現場運がないこともあり家でだらだら過ごす予定です。いやワクワク学校とここさけ試写会が当たっちゃったんですよね……その代わりコンサート運が犠牲になったんだと思う……。なんてナチュラルにSexy Zoneを推したり、アイスショーで生のソツコワ選手を拝んだりして楽しく過ごしているのですが、如何せんね、NEWSの新曲が出ないね!シゲアキ担の妹と暮らしているので実感がないけれども、まあ出ないね!ただ会報見てNEVERLANDオープニングのポンチョの写りに驚いたり、装苑が凄そうという噂を聞いて、最高だな……という思いを日々新たにしているので全然大丈夫です。本当にまだ大丈夫です。

と、いうことで実写版「心が叫びたがってるんだ。感想。やっとアニメ版*1も観たので比較しつつ、ケンティーは最高!て話をします。以下ネタバレ注意。

 

アイドル王子様論

そもそもここさけは2015年に劇場アニメとして公開されたざっくり言うと青春映画で、あの花と同じチームの制作である。この度実写化されるに当たっては「≪最高の失恋≫は、あなたをきっと強くする」というキャッチコピーが付けられ、秩父の自然の美しさ、透明感をそのままに生かした、丁寧な作りの作品に仕上がっている。

基本的には原作のアニメ版に忠実なのだが、一点大きな差異がある。あらすじを実写版とアニメ版両方から引いてみよう。

高校3年の坂上拓実は、「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命されてしまう。

一緒に任命されたのは、おしゃべりが出来ない少女・成瀬順。
彼女は幼い頃、自分の一言で、両親が離婚してしまい、それ以来誰にも心を開かなくなっていた。
その他、優等生の仁藤菜月、野球部の元エース田崎大樹が選ばれた。
実は拓実と菜月は元恋人で、2人は自然消滅した後、お互いに気持ちは確認できずにいた。
担任の思惑で、"ふれ交"の出し物がミュージカルに決定。
「ミュージカルは奇跡が起こる」という一言に、勇気を出した順は詞を書くことを決意し、さらに主役に立候補する。
そんな彼女の姿に感化された拓実が曲をつけることに。
順は拓実の優しさに好意を寄せるようになり、菜月は自分の想いを諦め、そして夢を追う順の姿に大樹は好意を寄せ始める。
目の前の人に好きと言えず、すれ違う4人。
そして、舞台当日「やっぱり歌えない」と順は消えてしまい、拓実は順を探しに行く。
しかし、舞台は、主役不在のまま幕をあける……*2

幼い頃、何気なく発した言葉によって、家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。

そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。
高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。*3

前者が実写版、後者がアニメ版で、明らかに主人公が順から拓実に移っていることが分かる。実際は実写版アニメ版共に、視点が一人に固定されているわけではない、所謂群像劇なので、アニメ版から見た人が順の視点に立って見ても違和感を覚えることもなさそう。というか実写版がより三人称的だから相対的にそう見える、というレベルだと思う(実写版にも順単体のキービジュアルが制作されている)。実写版から見る人は、「主演・中島健人」と銘打たれていることもあり、自然に拓実の視点に立つだろう。私はアニメ版の順単体のキービジュアルの印象が強かったので引っかかりを覚えていたものの、いざ映画が始まると完全に拓実視点で物語を追っていた。

このことによる効果は後で考えるとして、先にストーリーについて補足しておく。幼い頃順は山の上のお城(ラブホテル)から父親が知らない女性と出てくるところを見てしまい、お父さんは王子様だったのだと母親に喋ってしまったことで両親が離婚した。ミュージカルでは、お城の舞踏会に行きたい女の子が、舞踏会は実は罪人の処刑場なのだと知り、それでもお城に行きたいと犯罪を重ねた結果、「言葉で他人を傷つける」罪で言葉を失ってしまう。ここまでは順の体験と重ね合わされているが、ふれ交の活動を通して順は、王子様と出会った少女の中に愛の言葉が生まれ、王子様を庇って冤罪で処刑された少女の首から愛の言葉が溢れ出す、というラストシーンを考える。だが最終的に、少女の気持ちを知った王子様が人々を説得してくれてハッピーエンド、というものに変更するのである。

このとき、アニメ版では「私こそ何も見ていなかった。とても尊く幸せな言葉をもらった少女は、しかし、王子の悲しみには気付いていなかったのです。少女は王子様に、どんな言葉をあげられる?」とモノローグが入る。そう、アニメ版には順のモノローグや、玉子と対話するシーンがあるのだ。

実写版ではそれらのシーンは削られており、順が拓実に恋心を抱いていることは公演前日まで直接言及されることはない。二人きりになろうとする拓実と菜月を気にする順の様子から、なるほど舞台成功と同時に恋愛も成就してしまうのか~と意識した*4次の瞬間、順は二人がよりを戻すところを目撃してしまい、ショックから歌えなくなってしまう。更に、実写版ではよりを戻す時点ではっきり「ずっと仁藤が好きだ」と告白するのだが、アニメ版では「俺、後悔してた、あんとき。仁藤が手を伸ばしてくれようとしたこと、分かってたのに、自分からは何もしなかったこと。だから、成瀬が頑張ってんの見て、俺、俺も今度はって」で止まっていて、本音を言う勇気が出せなかった自分を恥じる菜月は「ごめん、今は聞きたくない」と拓実に告白させない。アニメ版ではそのまま走り去る順を追いかけ、再び玉子に呪いをかけられるシーンが入る。しかし実写版では、気持ちの通じ合った拓実と菜月側にカメラが残り、順の絶望は翌日判明する。つまり実写版は、視点の変更を通じて鈍感という拓実の罪を強調していると言えるだろう。拓実の視点からは常に二人の女子が見えているので、菜月を選ぶことも腑に落ちやすい。

― 拓実は、女の子の気持ちになかなか気づかない鈍感なタイプですが、そんな失恋を経た中島さんから見て、拓実の男としてのダメな部分や、もっとこうしたらいいのに!と思う部分はありますか?

中島:いや、僕も実際こういう人間だったんですよ。結構鈍感だった。今も鈍感なのかもしれないですけど、過去に、自分の好きな人にはあまり接することが出来なくて、でも最高の友達だと思っている子には濃く接してしまったことがあったんです。その濃く接した女友達は僕に好意を抱いてくれたのですが、自分はそういうつもりじゃなくて…。

― 可哀想…(笑)。

中島:だからそこが、僕の最大の罪。*5

 

坂上拓実は鈍感である。だからこそ、失踪した順をラブホテル跡で発見、説得する誠実さが響いてくる。この誠実さは、紛れもなく王子様の責任の取り方である。

拓実は順の王子様である。アニメ版では3度玉子にヒビが入る演出があり、1度目は拓実のアドバイスで歌なら歌えるのだと気付いたとき、2度目は「成瀬はちゃんと頑張ってるんです」と拓実が母親から庇ってくれたとき、3度目は拓実がハッピーエンドに変えることになったラストシーンに、悲痛な印象もある前のバージョンも一緒に組み込もうと提案してくれたときである。2度目のときは王子様が少女に「とても尊い、幸せな言葉」をくれたと、3度目のときは「私の、王子様」とモノローグが入る。

順は離婚のトラウマから、自分は罰を受けるべきだと呪いをかけており、拓実はこの呪いを解いてくれる救世主である。拓実は救世主にはなってくれるが、恋人にはならない。先にハッピーエンドに結末を変えたのは王子様=拓実のトラウマを癒すためなのだと話すモノローグ部分を引用したが、これは恋人関係になることで双方のトラウマが癒される物語である。元のラストシーンだと、少女が勝手に救済されて勝手にトラウマを克服する物語になる。トラウマを癒してくれた人と恋に落ちる、という物語は典型的な少女漫画の論理であるし、今回もそうであっても不自然ではないのだが、拓実は後者の救済の物語を活かそうとする。

救世主にはなってくれるが、恋人にはならない。そのようなあり方を「王子様」と呼ぶのは極めて正しく思われる。アニメ版ではモノローグによって繰り返される拓実=王子様の図式が、実写版ではモノローグがなくても観客に理解されている。中島健人が王子様だからだ。

アイドルに何を求めるかは人それぞれだが、私の理想のアイドル像は、恋人ではなく救世主寄りである。実際交際してくれると言われたら喜んでついていくだろうが(笑)、冷静な今の頭では仕事の顔が好きで応援しているのだから、恋人関係になってしまったら本末転倒だなあと思う。だから「アイドルだから一人の子と付き合うのは無理」と振られたい。最高の失恋。ケンティーは仕事人間だから絶対そういう振り方をしてくれる、いやしてほしい。恋人になってしまったら、もはや王子様ではいられないのである。

失踪した順の代わりに菜月が少女役を演じたため、順が戻ってきた後舞台上には少女が二人存在することになる。ラストシーンは勝手に救済される物語を歌う「悲愴」と、恋人関係になる物語を歌うOver the Rainbowを同時に歌う演出だが、順が「悲愴」パートを歌い、菜月が「Over the Rainbow」パートを歌うというのも順当である(王子様=拓実は「Over the Rainbow」を歌う)。より正確に言うならば、アニメ版では少女役(菜月)と少女の心の声役(順)として少女が分裂したかのような演出になっているのだが、実写版では菜月は元の草花の精の役に戻っている。菜月にとって拓実は王子様ではなく恋人なのだから、「お姫様」を演じる必要はない。モノローグのない実写版でも、拓実を順にとっての王子様に見せる仕掛けがそこここに存在すると言える。

実は、初見の感想は「おたくが救われる話の類型じゃん」だった。根暗おたくが分け隔てなく接され、何らかのスキルを褒められ、心を開いていくパターンである。順の場合はミュージカルの脚本を褒められることが自己肯定感に繋がっていく。恋人がいなくても生きていくことはできるが、救世主がいなかったら人生どうなっていたか分からない。トラウマの克服と恋愛が、結びつかないけれどもプラスの方向に発展するという描かれ方は、私にとっては新鮮であると同時に大変納得のいくものだ。

 

 

監督に最初に会ったときに、『今の中島健人に拓実の要素を足すべきなのか、今の中島健人からいらないものを引いていくのか、これは作品に入る前に考えておいてね』って言われたんです。それで、どっちだろうなって悩んだんですけど、やっていくうちに引いていくほうだなって感じて」*6

かっこよく見えないように注意したという話。噓じゃん!!!て思いましたね。いくら歩き方に気を付けても内面のあり方が王子様だから……。

「物静かな部分だったり、本音を言わないところは、ひと昔前の自分に似ているなって思います。この役に関しては、ジャニーズに入る前の記憶に助けを求めた感じです。自分の中学時代って、友だちも多くなかったし、まわりと人間関係がうまくつくれなかったんです。気持ちを伝えられなかったり、逆に伝えすぎたこともあった。言葉の温度の調節って、ものすごく大変なんだなって感じていました」*7

最初に引用したインタビュー記事もそうだが、今回「ジャニーズに入る前の自分」の話を何度かしている。何のことはない、かっこつけなくて物静かで本音を言わなくても、王子様の素質があったってことでは……。最高じゃん……。

まとめると、根がハイカーストではないので救世主に救われたい願望があるし、アイドルには振られたい。アイドルにならなくても爆モテだった人が、アイドルになることをを選んで「王子様」を引き受ける道に入る尊さに感謝したい。そういった様々な欲求を満たしてくれた大満足の一本でしたね……。私の世界も美しいです。

そしてケンティーもそうだけれど、キャスティングが良いの一言に尽きる。順役の芳根京子ちゃんの透明感、菜月役の石井杏奈ちゃんの等身大の優等生感、鋭いナイフのような寛一郎くんのピュアさ、役にはまっていると同時に、一人の俳優さんとして今後も出演作をチェックしたい。

と、いうわけで良作でした。万人受けするかは分からないけれども、若手俳優による(恋愛)青春映画、というだけで敬遠しないでほしいぞ。以上!

*1:29日にTV放送するらしいのでまだの方は是非!

*2:実写版公式HPより

*3:アニメ版公式HPより

*4:「最高の失恋」なのは予め提示されてるのだけれども

*5:<Sexy Zone中島健人インタビュー>「ここさけ」実写化で“最大の罪”が明らかに?言葉、そして“夢”と向き合う―「絶対にブレることはない」 - モデルプレス

*6:CUT 2017年7月号p36

*7:ピクトアップ 2017年8月号p78

NEVERLAND出入国記録

オーラスも終わったことだしNEVERLANDについて認めておこう、と白々しくも言う。本当は4月にアリーナver.を見たときから、いやアルバム発表時から何らか書けることがあったはずなのだ。しかし、まだ私の知らない設定があるのでは……と思うと中々着手できなかった。怠惰である。ブログ開設してから「次はこれ書きたいな~」で止まった記事群(てか3本)しかないことを見れば明らか。まとまった時間があるのでNEVERLANDについては今片付ける。(ちなみに『お兄ちゃん、ガチャ』感想ブログに関しては加筆・修正予定です。)

お題「NEWS「NEVERLAND」レビュー」 お借りします。

4人体制以降、NEWSにおいてアルバムとコンサートは不可分である。ので、NEVERLANDとは何だったのか、今更感はあるが各楽曲の内容にも言及しつつ、コンサートでの演出を振り返ろうと思う。
以下私が入ったのは仙台2日目1部と東京初日のみで、詳細にメモを取っていたわけでもなし、多分に主観的であることにご注意ください。
主観的と書いたのは、ネバーランドのエレメントの設定など、映画やアニメのように誰かが世界観をがっつり監修しているわけではないと思うので、なんというか深読みが起きているかも知れない。それに勿論メンバーも演出に大きく関わっているのは確かだろうけれども、スタッフさんの意見も沢山入っているだろうし、コンサートは生ものなので、こんな風にソリッドなものに対するように読解することには無理があると思うし、まあ妄想だと思ってもらえれば……という意味です。当たり前なんだけれどね。
ついでに、しかし、皆でわいわい盛り上がりたい!良さをもっと外部の人にも知ってもらいたい!という方には所謂ネタバレ禁止令は酷なのかも知れないけれど、コンセプチュアルで読解する楽しみを持つNEWSのコンサートに関しては、コンサート経験を個人的なものにしておく時間が良い効果をもたらすのではないか、具体的に言えばオーラス後に一気に濃い感想がまとまって流れてきて見やすくてありがたいし、こちらも先走らず書けるので合っているのかも、と今思った。 

NEVERLAND(通常盤)

NEVERLAND(通常盤)

 

ネバーランドの旅

復習。
今回アルバムのタイトルを「NEVERLAND」に決めたことについて、まず言及されていたのは「鍵」の問題である。

増田 グループの話し合いの時に、次のライブなのかグッズなのか特に定めず、「鍵」を作りたいって言ったんです。で、鍵というものにつながる何かができたらいいねっていう話をメンバーにしたら、みんな賛同してくれて。じゃあ具体的にどうするかとなった時に、「そこから見える世界」というアイデアが出てきた。何かに鍵をかけるということじゃなくて、その鍵によって大きな扉が開くイメージで。
加藤 鍵って、かけたり開けたりいろんな見せ方ができるものだけど、「今一番NEWSらしいのは開けるほうだろう」と。今回はまっすーのアイデアから広がったけれども、実は前作の『QUARTETTO』(16年)も前々作の『White』(15年)もすごくコンセプチュアルなんです。NEWSの作品がコンセプチュアルなのは、僕らの個性が強いというより、何にでも染まれるっていうのが大きいんだと思う。シングルでもインドをテーマにした『チュムチュム』、竹取物語を歌った『KAGUYA』。今回だと『EMMA』もそうだけど、どんなプロジェクトでもわりと乗っかれる。4人そろって思いっきりなりきれるっていうところは、僕らの強みでもあるなって。

日経エンタテイメント!2017年5月号p67)

長めに引用したのは、以前QUARTETTO感想ブログで、「NEWSは良い意味で非コンセプチュアル、未知数」だから雑多な楽曲群を雑多なままおいしく調理できるんだね、非常に好みの味です、みたいなことを書いて、つまりはQUARTETTOは非コンセプチュアルという認識だったのだけれど、言葉が甘かったなという自戒を込めて。あれだけ作り込んでおいてそんなわけがなかった。ナチュラルメイクがナチュラルでないのと同じだった。

アルバムを通して聴くと、「“The Grand Finale”」で「ネバーランドへの鍵=NEWSをずっと愛し続けるファンの心」という結論が出されている。だから、「NEWSをずっと愛し続けるファンの心」で「大きな扉が開く」ということを主題として捉えてみよう。

「“The Entrance”」の「目の前にあるこの時空の扉。これはあなたの旅のゴールでもあり、旅の始まりでもあります。」という文言に従えば、「大きな扉」を開け、「そこから見える世界」を旅した結果、また「大きな扉」に戻ってくる。今回のアルバムは「そこから見える世界」、即ちNEWSの見せるパフォーマンスをファンタジーとして描いている。初回盤では鍵穴をかたどり、招待状と鍵(物理)が封入されており、通常盤は「鍵穴を覗くとNEWSが見える」、すなわち「そこから見える世界」を可視化したデザイン、改めてよくできたジャケ写である。

初めてアルバムを聴いたときは、何しろ「U R not alone」のインパクトが強かったので、主人公を聴き手に設定し、割とストレートに解釈していた。アルバムを友人に説明したときの文章が残っていたのでそのまま載せる。

炎、水、光、踊、音、魔、愛。収録曲にはこれらのエレメントが散りばめられ、我々をネバーランドへと誘う。連想されるのは「ピーターパン」のようなメルヘンな世界観だが、今回の「ネバーランド」はそれとは異なっていることは、1曲目の最初の1音でお分かりいただけることだろう。ダークなリードトラックの威圧感は、完全に疲れた日常を生きる人々の首筋に打ち据えられた手刀である。私はネバーランドを精神治療の薬、治療中に見る夢だと思っているが、ネバーランドに行くためには初めにガツン!とショックが必要なのである。

(中略)

さて、トラック15「U R not alone」について触れておく必要がある。

この楽曲は大ヒット曲「weeeek」を作ったGReeeeNの提供で、ネバーランドを出て現実に戻ってからの曲であるというのがポイント。歌詞も他の収録曲とは違う直球の応援歌。シゲアキの言葉を借りるならば……「現実にだってファンタジーは起こりうる」。*1 むしろ出来そうもないと思っていたことを現実の中で成し遂げる、それこそが真のファンタジーなのだ。だからネバーランドには出口はない、終わらない。ネバーランドへの”鍵”はNEWSを好きでいること、なんて言っているのは本当にニクいが、要はエンターテイメントを愛することで、いつでも精神を治療して現実をサバイブする力、希望を手に入れて現実を変えていける。シンプルで現実的なメッセージが、しっかり世界観を作り込んで可愛くおしゃれに見せた上で、ちゃんと真っすぐ分かる仕掛け。これこそがNEWSの強み!!!

先に引用した日経エンタでの座談会でも、慶ちゃん「テーマパークのように、存在はいつもそこにあって、そこに行くために、また頑張ろうって思える場所。」と語っている。メンバーにとっては尚更直接的に、NEWSとファンと心通わせる場(例えばコンサート)を指しているのだろう。ファンの愛でコンサートが開催され、コンサートでは嫌なことを忘れてリフレッシュ、また明日から日常を頑張り、一年間頑張ったゴールとしてコンサートに行く。コンサートがない期間だってNEWSがついているから、きっとファンタジーが起こるよ。具体化してしまえばそういうことだ。

しかし鍵型のペンライト、大正解だったね!!!自動制御になったコンサートQUARTETTOでト音記号のペンライトを手動で点灯したときもそうだったと思うのだけれど、「NEWSをずっと愛し続けるファンの心」が一つ一つ灯っているような感じがして。今回は逆にNEWSからの「魔法」でペンライトが点いたとき、暗闇の中でNEWSを見つけ、心に希望が灯ったときのことを感じた。私にとっての希望はそのままNEWSを好きだという気持ちで、NEWSがいるから生きているんだな……と改めて自覚してしまった。*2あと黄色結構見やすい。心に女児を飼っているので普通にめちゃめちゃ好きなデザインではあったのだけれど、黄色ってどうなのよ的意見を散見し気になっていて、大きさもあるがデザインが見やすい色だなと思いましたよ。

自動制御が特徴的だったのはまず「NEVERLAND」の子供の笑い声が聞こえるところ、「♪……love」で照明がピンクになってペンラが灯ったところ。何らかの儀式のために集っているのでは、一生懸命ペンラ振って声出したら何か降臨するのでは、て神秘的さだった。*3逸れるけど、東京初日クールにキメるはずであろう「NEVERLAND」からまっすー笑みを抑えられていなかったので、op映像からもうずっと「かわいい!顔がかわいい!えーんかわいいよお」テンションだったのですが、ピンクの照明になっただけでちょっと驚くくらい辺りからわあっ……と感嘆の声が上がり、「アン・ドゥ・トロワ」のピンクの照明でもかわいい……が漏れていたので、皆そんな感じだったのかも知れない。私は今回ドーム天井席から全体を俯瞰することができ演出厨として幸いだったのだけれど、とにかく最後列まで開演前のNEWSコールが激しくて照明一つで興奮して、最高だけどこれファン溢れてるよ……!もうちょっと首都圏の公演数何とかならないかな~とも(笑)。

それともう1つ、シゲアキソロ「あやめ」!2回目のサビでリフターを駆け上ったあと、「♪knock knock open the door」て歌詞があるじゃないですか。不用意なことは言い辛いのだけれど、あのときアリーナで揺れている鍵ペンラがシゲアキの背中を押しているように見えて、はっとした。だってこれも「扉を開ける」である。では、「あやめ」は何の扉を開けるのか?

ネバーランドでは扉を開けることが2回ある。入るときと出るとき。そして実は、「旅のゴールでもあり、旅の始まりでもある」って、どっちがどっちなのか非常に曖昧な書き方である。それはテーマパークとしてのNEVERLAND内部も、現実も等しくネバーランドだから。であれば、NEVERLANDの中で描かれる「旅」とは何なのだろうか?

 

以下本当に妄想が激しいパートです。

またシゲアキのクラウドから引用。リード曲「NEVERLAND」のライナーノーツより。*4

RPGのサントラかよ!!!!!!!

でもそれはあながち間違ってない。

君はこの世界の主人公であり、この世界はすでに君のものなのだ。

単純に、扉を開けるという行為は、未知の世界に踏み出す、挑戦する行為である。であれば、ネバーランドの旅は自己改革の旅であり、冒険である。そんな成長譚としてNEVERLANDを語ることもできると思うのだ。コンサートの初め、「NEVERLAND」の軍服風衣装に、それぞれに小道具を持ったメンバーの立ち姿は正にRPG的だった。仙台公演でまっすーが剣を両手でくるくる回しているのを見たときは、そんな素敵なことがあって良いのか……と恐縮してしまった。パンフレット表紙にはN字の島の地図がデザインされていて、7つのエレメントが盛り込まれ、コンパスが描かれている。初回盤のジャケ写と同じくメンバーのイニシャルや「LOVE」が隠れていて、宝の地図のような味わい。冒険用の地図だ。

これはテーマパーク外部の現実をも成長譚の場として捉えているのではという発想、テーマパークと現実を重ね合わせる発想からの妄想である。「ネバーランドを出た後の曲」こと「U R not alone」は過去の努力してきた自分が力をくれるから、諦めないで挑戦し続けようという曲なのだけれど*5、初めて聞いたとき凄い孤独だな……?と思ったのだ。NEWSはファンとの絆が武器と言い切るようなグループである。「♪例えばこの声が届くならば誰でもいい 聞こえますか」とあるので一見ファンは宣誓の聞き手として存在しているようだけれども、どこか他者を気にする余裕なんてないような、自分の精神を強く保つことでいっぱいいっぱいの印象を受けたから、もっとファンと抱擁するような歌詞になるのが普通なんじゃないかと引っかかっていた。だけど、ここでの挑戦は非常に孤独な行為なのである。前へ進むか妥協するかという闘いは、仲間は支えてくれるかも知れないが、自分の中で答えを出さなければならない問題である以上自己変革の果てにしか勝利はない。その意味で現実は冒険になる。

不条理な現実を、因果律のきちんとした物語に仕立て上げて消化してしまう力。無念な出来事があり心くじけそうになったけれども、これだけの努力を重ねたので乗り越えましたよっていう物語を信じる力。物語=成長譚を信じる自分に自己改革できるかってことが、前へ進んでいく原動力になるのではないだろうか。NEWSが必然的に負うことになってしまった物語性は、人を選ぶものだし、私も以前は作為的でないのでセーフという微妙な言い訳でコウモリのように肯定と否定を行ったり来たりしていた。しかし改めて、何よりNEWS自身が物語を信じてきたんじゃないだろうかと思うと、それはきれいごとでうそだなんて一蹴して良いものではない気がしているのだ。

話を少し戻すと、「U R not alone」をNEWSが歌うときのファンの立場はというと、「♪例えばこの声が~やり抜くぞ」を歌うよう求められることから言って、おそらく単純な聴き手の位置を想定されていないのだろうと思う。多分自己改革の旅はいつだって孤独で当人以外は宣誓を聞くことしかできないのだけれど、コンサートで歌っているとき私はいつも「この宣誓が会場の外にまで聞こえたらいいのに」て考えていた。完全に身内気分だった。誰に何と言われようとNEWSのファンであることを一切引かないし一切負けない、そんな気持ちだった。

「NEVERLAND」というテーマパークを旅しながら、我々は自己改革の予行練習をする。丁度子供が御伽噺で育ってから社会に出ていくように。テーマパークの内外を隔てる扉をを開くとき、一方では御伽噺の世界での旅が始まって終わり、他方では現実を旅にする旅が始まって終わる。

「あやめ」に触れた手前書いておくと、この曲のテーマはご本人が述べているように*6「理想郷」「多様性」辺りをキーワードに考えて、心の奥底にある、多様性ある愛溢れる理想郷を信じて歩みを止めない……ということだと思うのですが、「♪紙で切れた指先のように 伝わらない痛みを忘れないように」「♪世界は 心の奥底にある」とあるように、多様性を認めるって他者は自分と違うということ、究極的にはみな孤独(だからこそ愛し合うのだ)ということ。だから扉を開ける=旅を始めるということが、ここでは「理想郷を諦めない」という形で、同じ孤独を伴って呼応しているのでは……という解釈を提案してみたい。

 

さて、旅に深く関わってくるのが汽車のモチーフである。

言わずもがなオープニングでは汽車が、蒸気を吐き出しながら一列になって、メインステージから花道へと進む。エンディングでは「流れ星」で汽車がメインステージに帰って行く。直球に銀河鉄道999……。ネバーランドでは汽車で旅をするのだ。セットとしてはもう1ヶ所、終盤汽車型と馬車型のスタトロが登場する。ZIPで「パレード」を意識した演出だと説明されていたが、NEWSはネバーランドのキャストであると同時に旅人(主人公)でもあるという性質を良く表していると思う。

そしてここでは勿論、汽車が出てくる楽曲「ORIHIME」「ミステリア」について。

もしかして私、汽車のこと全然注目してなくない?ということに気付いてからは、「ミステリア」が気になって仕方がなかった。アルバムの中で聴いても、きらきらしいラブソングの中でこの楽曲は異彩を放っていて、一曲くらい入っているダークで激しい雰囲気のアレなのかなと思いつつどうにも置き場所に困っていた。

それが何となく腑に落ちたのが、6/16放送の少プレである。昨年のQUARTETTOメドレーは「QUARTETTO」「Wonder」という選曲でまあ2曲で代表させるならそうなるよねって感じだったので、今年も「NEVERLAND」と何か、「BLACK FIRE」とかそれこそ「ORIHIME」かなという予想を立てていた。そこでまさかの「NEVERLAND」選曲漏れ。「ミステリア」「ORIHIME」2曲だけだと、どうにも全体の輪郭を掴みかねるというか、確かに良い曲なんだけれども必然性が良く分からなかった。しかしプレミアムショーで、コンサートでは詳細に見えていなかった「ミステリア」の振付を見てぴんと来るものがあった。Jr.が影のような動きでめちゃめちゃ「♪アイツは俺の化身か」を表現しているのである。

「ミステリア」をちゃんと読んでみよう。まず汽車が登場するのがAメロの部分。

「♪時計さえも眠る夜に 汽車に乗り込む ツアーの客はひとりだけ 欲望の旅」

Bメロで車窓から見える怪しくも美しい世界に魅入られ、サビで自分の中に潜む狂気と対峙する。大サビは「♪地下室(ジブン)の 奥の方に 潜む 自由の化身か」で、おそらくこの主人公は抑圧されている。地下室と書いてジブンと読ませるくらいなのだからそもそも自我は抑圧されていて、更にその奥の方に、これまでの自分からしてみると狂気と思われるような衝動でもって自由を求め孤独に暴れるMr.モンスターがいるわけだ。現状を打破したいという衝動に、身を任せることへの期待と恐怖。それを「欲望」と表現したのがミソだが、旅に付き纏うにふさわしい怪物である。そしてやはり、孤独に自己変革を欲求するという意味での旅を描いた楽曲だと言えそうだ。

しかしこの「もう一人の自分」というアイデア、実は最初にパンフレットの鏡のグラビアを連想した。古来より鏡は異界に繋がっているとされ、鏡を使ったファンタジー小説も多い。この合わせ鏡のグラビアも、普段見慣れているのとは対称の顔で映るメンバーに「ミステリア」のMr.モンスターを重ねると同時に、NEVERLANDは鏡の中の世界なのではと思わされた。鏡の中の世界、すなわち欲望の世界である。

コンサートでは、ドーム追加曲の「BYAKUYA」と「さくらガール」が後に続いた。月を背景に影が蠢き、「孤独/希望の化身」という言い回しも通じるものがある「BYAKUYA」に、「♪流れてゆくサクラの雪」「♪零れてゆくサクラの影」がそのままな「さくらガール」。忘れていたけれどこれどちらもラブソングである。

対して「ORIHIME」を読んでみると、汽車が登場するのはサビの部分。

「♪消えることない約束が 僕らの 999」

言わずもがな銀河鉄道999。約束が遠い星となった初恋の人と僕とを繋いでくれる、ということだろう。直接的に旅のイメージは希薄だが、いつか届くと信じて手を伸ばし続ける行為に汽車のモチーフを用いるという意味で、ラブソングと応援歌を橋渡しする効果をもたらした楽曲だったと思う。「ミステリア」を「BYAKUYA」「さくらガール」が接続したように。

コンサートでの演出も凄く良かった!そんなこと言い出したらリフターが神ってところからになってしまうけれど、とにかく花道を天の川にしてしまうのは非常に幻想的で素敵だった。リフターに乗るメンバーと花道で踊るJr.のバランスが絶妙で、Jr.がバックなわけでもメインなわけでもなく良い感じに視界に入ってくるんですよね。QUARTETTOの慶ちゃんソロ「愛のエレジー」並みの花道の有効活用。あとまっすーがね、リフターの上からJr.たちの方を覗き込んでいるのが凄いかっこよかったね……。メインステ使う時間がそもそも少ないんだろうけれど、何というか360度見せるのが上手いな~~~。バクステが丸いのも凄いよ。フルスイングは丸いステージで円になって歌ってほしいし、ポコポンペコーリャも10周年コンのときみたいで可愛くって。あと手越ソロ「I'm coming」がセンステで行われたのも最高でした。ああいう大道具使う演出大体メインステでやるけど、衣装とベッドと照明だけで2時間、みたいな演劇を見ているような迫力があってグッド。間奏の照明含め大変好みの演出だったんですが、ここのところどシンプルが続いていただけにそう思うのか知らん。

そして(笑)、ここで大きな問題になってくるのが「星の旅人たち」でしょう。終わりのない永遠に求める対象であり続ける「星」を恋愛で語るなら「ORIHIME」、夢に読み替えるなら「星の旅人たち」……だと思うんだけどなぜセトリ落ちしたんだ!「流れ星」と被ってきちゃうって辺りなんだろうけれど、別にいいじゃん皆星の曲好きだよ!

銀河を駆け巡る汽車に乗って

どこまでも続くレール辿って

輝く星 その光をけして見失わないで

流れ星 願い続けるよりも

その願いこの手でつかみたいよ

叶わないものはないと 信じているこの瞬間

終わりなき journey to the star

「流れ星」が旅と明言していなのに対して、こちらはサビを引用しただけでもう「汽車」「journey」といったフレーズが。ある意味くど過ぎるのかも知れない……「星の旅人たち」が名曲過ぎて、1曲入れると3曲くらい食っちゃう問題児なのかも知れない。あと星色が強くて、ネバーランドのテーマ性が半減してしまう扱いにくさもありそう。

結論、「ミステリア」「ORIHIME」メドレーは、汽車によるネバーランドの旅という側面にクローズアップした、アクロバティックな選曲だったのではないか。結果としてテーマパーク性、ファンタジー性は抜け落ちたものの、ある意味NEVERLANDの本質を突いているように思う。

 

 

しかし面白いコンサートだったなと改めて。Whiteのようにコンセプチュアルに振り切ると作品としての独立性が高くなるので、ある意味ファン以外にも見やすいものができる、と予想していた。実際NEVERLANDも概ねそういうものに仕上がっていた。それがおそらく「U R not alone」をどう取るかが分水嶺となって、好悪が決まるのではないかという印象である。

入れられなかったんだけれど超好きなところ(東京初日)、「サマラバ」の振付!めっちゃ可愛いので各所にリクエスト送っとこうと思います。勿論「D.T.F」!「EMMA」衣装のぺたぺたした靴が好きなんですが、そのままぺたぺた踊ってて最高でした。衣装も可愛かったね~~~シゲアキがフード被ってきたときはどうしようかと思った!「Brightest」のレーザー、メインステでやる意味があって良かったし、コヤテゴの裾が翻ってるのが綺麗だった……「恋のABO」以降のもふもふのコートもお騒がせセレブみが凄くて可愛い……。「恋を知らない君へ」は毎度のことながら神様にお願いしている美少女のようだし、「Silent Love」のラップのとき半透明でスクリーンに映るのがかっこよかったね、ダンスも余韻が残る感じでさ……あとサングラスはほんと意味分からない。初めて美恋魂見たとき、アイドルってサングラス許されるの!?てカルチャーショックだったんですが、好い加減調教されてきたのを感じる。サングラスはかっこいいもの。

それと今回特異だったのが、開演前の演出である。センステに布がかかっていて巨大な鍵が回転しており、会場には「N」「E」「V」「E」「R」(以下略)の文字の入った巨大なバルーンが吊るされていて。メインステの脇にはうねる木のセットがあったのだが、これらはどれも開演後脇に引っ込んでしまうのである(バルーンは東京公演ではスタトロの後ろについてパレードしていたけれど)。開演前は勿論閉演後、夢だけど夢じゃなかった!!!て幸せだった。

 

さて、仙台から2ヶ月、ドームで「サマラバ」と「渚のお姉サマー」が増えていたので一気に夏っぽくなり、噴水演出が爽やかで季節の流れを感じている。去年の今頃は「時をかける少女」の話をしていたんだったけれど、ということはそう、そろそろ新曲の季節でないか?

次はどんな楽曲で私をNEVERLAND送りにするのだろうか、楽しみ。

*1:シゲアキのクラウド 2017年3月28日更新分

*2:私事だが、私は浪人中NEWSに出会った。行き止まりの道で立ち往生して、試験の後のビジョンが全くなくて、カレンダーは2月で終わっていてその先はどうなるのだろう、死んでるのかな?て感覚だったところに、「愛言葉」の「♪君とみる これからの未来は」というフレーズが聴こえてきた瞬間、あっ未来ってあるんだな、今それを知るためにこのグループを好きになったんだと悟ったのだ。それこそが希望だったのだと思う。忘れもしない、冬期講習からの帰り、普段行かない千葉方面からのガラガラの夜の電車の中で、海が見えた。

*3:一番儀式めいたものを感じたのは、「チュムチュム」で「♪アーアイヤーアーアーアイヤーチュムチュムアッチャッチャ!」を振られたときだけれど

*4:シゲアキのクラウド 2017年3月22日更新分

*5:GReeeeN「UR not Alone!」に込められたメッセージ - TOKYO FM+

*6:シゲアキのクラウド 2017年4月7日更新分

Life with QUARTETTO

寒い~~~~~

先日NEWS LIVE TOUR 2016 QUARTETTOのDVD&Blu-rayが発売されましたね!

悩んでいる方も後悔はさせない!今すぐCDショップにGO! 

 

今回の仕様は初回盤と通常盤の2種!どちらも6/12 東京ドームでの千秋楽公演を収録!

初回盤にはなんとアリーナオーラスの広島公演がまるっと!

通常盤にはドキュメンタリーがたっぷりと!

どちらにせよNEWSの素敵さ・楽しさ・可愛さ・カッコよさ・etc.が余すことなく楽しめる必携の1枚!或いは2枚!!!

でもまだ広島公演見れてないんだ~~~私は丁度この東京公演に入ったんですけど、まずそれ見て反芻してドキュメンタリー見てってところでとりあえず力尽きた。

と、いうことで通常盤感想です。 

Theme of "QUARTETTO"

QUARTETTO【初回盤】(DVD付)

QUARTETTO【初回盤】(DVD付)

 

初めに、QUARTETTO QUARTETTO言ってるけど、このコンサートってアルバム「QUARTETTO」による部分がとても大きいと思うの。Whiteも勿論アルバムの世界観を引き継いでいたんだけれど、或いはそれ以上に、というか……。そもそもまずQUARTETTOが凄いと思うのは、テーマが凄く当たり前で確立しにくいようなものなのに、全くブレてないこと。

例えばWhiteの際は物語的な設定があって、白っていうテーマがあったわけだけれど、今回の「4人で奏でる」てそりゃいつもそうだろってことではあるんですよね。だからこそフィーチャーしにくい気はするんだけど、最強のテーマだったんだなあって。

アルバムのmusic clip見ただけだとまだピンと来てなかったんですよね。楽曲も好き系統だったけどしっくりき過ぎてて、トラック11「Departure」なんて初めて聴いたときでさえ感想は、これは「もしもNEWSがアイドルアニメだったら」で1億回2期opにした曲ですね~~~だったさ!よくよく考えたらそれは「Weather NEWS」だった。割と似ている。

そんなコンセプトでしたが、コンサートで威力を発揮した。

特に好きなのが、MC後の「Theme of "QUARTETTO"」!

アルバムのmusic clipは

①メンバーがそれぞれ奏でる音が一つの集合体になっていく

②集まって輪になって激しく踊る 

の2パートから成っているんですが、コンサートではopで①の映像、MC後ラフな曲から壮大な曲へ切り替わるときに②をやってくれるんですね。デニムにTシャツな衣装で直前までMCやって「愛言葉」歌ってにこにこ和やかにしていた人たちが、同じ格好のまま激しく踊り出すっていう。

なんか最近NEWS、っていうかそれぞれが二重三重に好きなんだ。アイドル(演者)として好き、コンサートを作る人として好き、人として好き、みたいな。セルフプロデュースの割合が高いグループなんだろうと思いますが、プロデュースされる人もしている人もされた人もどの段階も好きって感じ。

Theme of "QUARTETTO"て万能で、NEWSそのものだから、どんな格好でも踊れるしその後どんな曲でも出せる。けど半分華やかなアイドルで半分仕事人っていうあり方がよく出てるから、ラフな格好で踊っても様になるのも、その後四銃士みたいな世界観を作り込んだ曲を導入するっていうのも正し過ぎて泣いた……。もはやギャップという概念は死んだ。連続値を見ていたい。

Whiteの「白」は物語性の強さもあり、アルバムでの完結度・コンサートでの完結度がそれぞれ非常に高かった印象があって、そこが作品として芸術的で良いって感じだと思うんですけど、そこからだとQUARTETTOは良い意味で開けてて素敵だ。勿論大変豪華で非日常でありながら、どこかニュートラル。「素」「等身大」「ありのまま」みたいな言葉が要らないくらい、おしゃれで楽しい日常の中のコンサート/アイドルだった。(Whiteはだからアルバムからコンサートに“発展”してるんだけど、QUARTETTOは同じことを違う方向から見ている感じがする。)

このコンサートの中だと、蛍光イエローの衣装について増田さんは以下のように述べていて、*1

NEWSって、『チュムチュム』とか『KAGUYA』とか、1曲ずつ着替えなきゃいけないようなパンチの効いた曲がたくさんあるでしょ。この衣装は、メンバーからの「そういう曲を総括できる衣装がほしい」っていうオファーを受けて考えた1着なんだ。

このパートを観ているときって、個人的体験としては疲れていてウォークマンで強い曲だけ飛ばして聴いてるときの感覚に近い。じっくり聴こうっていうタームじゃなくて、とにかく強い曲聴きたいとき。雑多な楽曲群が雑多なまま提供されたというか。四銃士にしても、日常過ごしてて今日はどっぷり映画観に行きたいとか、帰ったら徹夜であのDVD一気見するぞとか、気合の入った気分のときがあって、オケパートはそんな気分で聴きたい曲なんですよね。あの幕がある意味ってそういうことだと思うんですよ。普段の楽曲への親しみ方がコンサートで再現されるっていうの、コンサート以外でも沢山活動があったからこそできるのかも知れないし、多分後々見返すと全部込みで味わえて楽しいんだろうな~と思った!

さんざ語られた「NEWSらしさ」「王道」「今のNEWS」をプロデュースして、その結果(狙ったわけじゃないだろうけど)観る人が今NEWSの音楽を聴くように観た、というのは目論見が成功したってことなんじゃないかな。

あと、7/20放送の少プレのQUARTETTOメドレーは今度は完結度が高い作品としてパッケージされていて、「4人で奏でる」はあれで補完された感がある。

Documentary of QUARTETTO

広義の 「4人で奏でる」はパフォーマンス含めそれぞれの得意分野を担当しながら4人でコンサートを作り上げるってことだ。

それがメタ的にコンサート内部に落とし込まれている、「4人で奏でるNEWS」までもが読み取れるところが好きだって話をしてきたけれど、「『4人で奏でるNEWS』をどう4人で奏でたのか」が見れるのがこのドキュメンタリーである。

凄く好きな点として、メンバーAのパートの中に「メンバーAの仕事を見たメンバーB」が挿入されているのがにくい!慶ちゃんのパートが一番顕著で、「なんかね、各々スタッフさんのところに行くのよ」で他の3人の様子が映ったり、ツアーで楽しみにしていることは「他のメンバーの担当している部分」という答え。

衣装付通しリハやアリーナオーラスといったポイントの映像は敢えて共通させて、その過程がそれぞれ違う……んだけどお互い「なんかやってる」感がうかがえる、それを見ているとこっちまでわくわくしてしまう。シゲアキのパートで手越のコメントがあったり、慶ちゃんへのドッキリとドッキリの相談が別の視点から見れたり、I・ZA・NA・I・ZU・KIの衣装への反応だったり、それぞれがそれぞれの仕事をしている、+それぞれの仕事がグループに還元されていくところを追っているのが4つに分けた意味があって素敵だった。

本編でも似たようなことは思って、なんか編集が細かいな~と初見で感じたんですけど、歌割担当していないメンバーを映していることが結構ある!それがファンサ曲なら、或いは表情を映したいバラードならあったかも知れないけれど、そうでなくても歌っているメンバーA→口ずさんでいるメンバーB→歌っているメンバーAみたいに、曲に沿いつつも4人の様子が逃さず入っている……。なんか信頼感が感じられて好き。

私「渚のお姉サマー」のAメロの歌割担当していないメンバーが後ろ向きで踊る振付が大好きなんですけど、同じくあれも適度な距離感というか、信頼感のある個人プレイというか、つまりはNEWSらしいところが良いんだろうな。

それからドキュメンタリーを見て初めて、会場に行ってからの作業の多さに驚いた!

各会場での調整、というよりもコンサート自体が磨かれていく様子、それに今回収録されたアリーナ公演からドームへの変化についてしっかり密着してくれて、各公演の様子もちゃんと意味ある選び方がなされているなんて、ドキュメンタリーとしての完成度が高い。*2噂に違わずマジでプロフェッショナル 仕事の流儀じゃん……。(と思って公式HP見たら、前回の照明デザイナーさんの回面白そうで笑った)あとテゴマスが会場で調整する際、ハモだけになってるのが個人プレイ感あって高まりました。

ちなみに自担であるまっすーパートで特に「やべえ」と思ったのは照明部に呼ばれて一人会場に向かうとこで、「いや~これは積もるぞ」がスーパー好きです。

一番好きなのはスニーカーをアレンジしたとこかな!「靴が凄く可愛くなってる~!」て自分で言っちゃう気持ちね~~~!クリエイションが本当に好きなんだな~って何なら最大の泣きポイントだったよ。それに「靴履いたら(OK出すよ)、可愛い靴ー」てスタッフさんに言われているのも微笑ましいの極み。「洗っちゃうの?」も……。

スタッフさんと言えば、改良を重ね重くなった衣装に対する「また増えたの?」「でも、凄いカッコイイです」も良い。「重くないですか?」「でもカッコよくない?」「確かにカッコイイですね……」「しょうがないですね~」みたいなやり取りがあったかと思うと最高。

ちなみにI・ZA・NA・I・ZU・KIについては初見の衝撃ほんと忘れられないな~!

アリーナとかではなかったので、Blu-rayで見る色味・鮮明な模様の印象ではなくて、もっと淡い色で発光してる印象だったんですけど、とにかく「リアルに神か!?」て感じでした。白で顔が見えているときは千早振る神、照明が落ちて発光しているときは荒振る神、どっちにしろ神、などと口走った。基本NEWSは宗教スタンスだから。あれをやり遂げたのは本当になんていうか……おめでとうだよ。

今のNEWSにNEWS自身が期待していることが、ドキュメンタリー通して何より伝わってきたのが素敵でした。慶ちゃんがライブとは「4人の攻撃」て表現するなんて、「僕も結構前のめりになっている」て言うなんて、ちょっと驚いた。

QUARTETTO

それからやっぱり「音」!「“歌”をちゃんと届けたい」*3初め、パンフレット等々で四重“奏”もまたテーマであると言及されてきたわけですが、円盤のメニュー画面の説得力凄い!!!音が大事にされてる!

「QUARTETTO」の演出も現場では気付けなかったけど、「♪燃え尽きるまで」の前のギュイ――――ン!に合わせてゲージが溜まって、「QUARTETTO」×4の後文字を点滅させるのなんて、円盤で収録してくれて本当に良かったポイント!「♪Wo o o o o」に合わせて丸く照明が広がるのも口に手を当てる振付と相まって大正解で、etc.どの曲についても楽曲の良さを活かす演出が円盤編集の段になっても徹底されている……。四銃士星をめざしては言うに及ばず、オルゴールの演出や、I・ZA・NA・I・ZU・KIやWonderもコンサート版の編集が演出の域を超えてアナザーバージョンとして聴けるし。Whiteまでもコンサートの空気感・リアリティが丁寧に閉じ込められているのが驚きの満足度の高さの秘密だったと思うのですが、今回は細かい編集というか音ハメがやばいので、そのクオリティが上がっただけでなく円盤で更に+αあった感。つまり楽曲主体のメディアミックス的な楽しみ方ができたのが凄く良かった。

それからNEWSは客席を映しがちだけど、今回の希望 〜Yell〜の編集は凄く良かったな。愛言葉のウェーブしかりマスとして映しきっていたのも良かったんだろうけれど、チャンカパーナの「カモン東京ドーム!」で一気にドーム遠景が映るのとか、演出として美しかった。

楽曲もそうだし、C&Rにしても、コンサートの空気感を思い起こさせるのってやっぱり視覚だけでなくて聴覚との相乗効果なんだな〜と感じました。

「『いい歌を聴けてよかった』って思ってもらえるものにしたいね」とシゲアキは言ったけれど、正直上手い下手は別にしたとしたって、結局生でコンサートを観る、ということを考えると音の占めるウエイトて実際大きいと思っていて、そこを大事に編集してくれたのはとても嬉しいことである。

 

散漫で極めて感覚的な文章になってしまいましたが、とりあえず以上円盤で感動したところでした!

総じて言うと、「やなこと忘れろよ――――!」て煽りだったり、NEWSのコンサート特別であると同時に身近な存在なんだけど、それをまた再確認してしまったという話です。「今のNEWS」を表現するってことはとても難しいし、分かりやすいテーマがあるときに比べてまとまりのない印象になりがちだけれど、私は凄く好きなコンサートだったな~と改めて思った。NEWSの(グループとして)良い意味で非コンセプチュアルなところが、未知数なところがぴったり嵌まっていた。

それから、コンサート本編のラストで使われた「ヒカリノシズク」の歌詞を初めて見たとき、「フルスイング」「CRY」の流れの中にあるんだけれど、もう「涙をそっと拭ってしまうような」になったんだ、と思ったのを覚えている。凄く前向きになっているなって。なんとなくこういう応援歌はもう出さないんじゃないかという予感があり、NEWS第2章が復活の物語だったとしたらそれはこの曲で幕を閉じたんじゃないかと感じていて、逆を言えば回復しなければ歌えなかったような曲だと思うんですね。最後にヒカリノシズクがあって良かった。これからどんどん活躍して過去の出来事が風化してもきっとNEWSはいつも日常の痛みに寄り添い続けてくれるんだろう、優しさをありがとう、と。予想はできたけれど、QUARTETTOがヒカリノシズクで終わるコンサートで良かったです。

多分に宗教的患者的でアレですが(笑)、とりあえず人生の色々を追いかけていこうと思った。明日からもまた。

*1:Myojo LIVE! 2016夏コン号 p62

*2:すっごい蛇足なんですが、シゲアキパートの真駒内セキスイハウスアイスアリーナ、オシャレ映画かと見紛う構図で好きです。

*3:パンフレットのシゲアキのコメント